司法試験 短答式 2024 憲法 第10問
刑事補償請求権に関する次のアからウまでの各記述について、正しいものには○、誤っているものには×を付した場合の組合せを、後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は、[No.20])
- ア 刑事補償請求制度は、憲法第31条以下の刑事手続に関する諸権利の保障によってもなお生じる国民の不利益に対する補償を定めたものであって、公務員の違法行為や故意・過失の有無に関わりなく、結果に対する補償請求を認めており、抑留又は拘禁された後、結果として無罪の裁判を受けた者に対し、相応の補償をすることによって、公平の要請を満たそうとするものである。
- イ 最高裁判所は、緊急逮捕され少年鑑別所に収容された後、非行事実が認められないという理由で不処分決定を受けた少年が行った刑事補償請求につき、不処分決定は刑事訴訟法上の手続とは性質を異にする少年審判の手続における決定であることなどを理由として刑事補償の対象となる「無罪の裁判」には当たらないと判示した。
- ウ 最高裁判所は、抑留又は拘禁された後、起訴されずに釈放された者は刑事補償の対象とならないが、不起訴となった事実に基づく抑留又は拘禁であっても、そのうちに実質上は無罪となった事実についての抑留又は拘禁であると認められるものがあるときは、その部分の抑留及び拘禁は刑事補償の対象となると解している。
- 1 ア○ イ○ ウ○
- 2 ア○ イ○ ウ×
- 3 ア○ イ× ウ○
- 4 ア○ イ× ウ×
- 5 ア× イ○ ウ○
- 6 ア× イ○ ウ×
- 7 ア× イ× ウ○
- 8 ア× イ× ウ×
正答 1(配点 2)
参考
正解は1(ア○・イ○・ウ○)。ア:刑事補償(憲法40条)は、公務員の故意・過失や違法行為の有無を問わず、抑留・拘禁の後に無罪の裁判を受けた者の被った不利益を公平の見地から填補する結果責任的な補償制度である。正しい。イ:最決平成3年3月29日は、少年が緊急逮捕・収容後に非行事実なしとして不処分決定を受けた事案で、不処分決定は少年審判手続における決定であって刑事補償法にいう『無罪の裁判』に当たらないとした。正しい。ウ:最大決昭和31年12月24日は、不起訴となった事実に基づく抑留・拘禁であっても、その実質が無罪となった事実についての抑留・拘禁と認められる部分は刑事補償の対象となるとした。正しい。
自作の解説(憲法および最高裁判例に基づく)
関連条文
関連判例
- 少年保護事件刑事補償請求事件(最決平成3年3月29日刑集45巻3号158頁)
- 最大決昭和31年12月24日刑集10巻12号1692頁
出典 法務省 令和6年司法試験 短答式試験 問題集[憲法]第10問/憲法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00241.html