司法試験 短答式 2024 憲法 第14問
議院の権能に関する次のアからウまでの各記述について、それぞれ正しい場合には1を、誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は、アからウの順に[No.26]から[No.28])
- ア 国政調査権には司法権の独立の要請からの制約があるところ、司法に対する調査については、裁判官に対して及ぼす影響力に十分配慮する必要があり、裁判官の裁判活動に事実上重大な影響を及ぼすような調査は許されないから、現に裁判が係属中の事件につき裁判官の訴訟指揮、裁判手続を対象とした調査は許されず、行政監督目的に基づき、裁判所で審理中の事件の事実と同一事実について、裁判と並行して行う調査も許されない。
- イ 両議院は、各々、院内の秩序をみだした議員を懲罰することができ、現行法上、公開議場における戒告、公開議場における陳謝、一定期間の登院停止及び除名の4種類の懲罰が規定されているところ、懲罰は院内の秩序の維持に関連して議員に科される制裁であり、議員の院外での行動は懲罰の対象とはならず、議員が正当な理由なく召集に応じない場合であっても懲罰の対象とはならない。
- ウ 議院規則と国会法の関係についていずれが優位するかの対立の前提として、院内手続準則につき国会法との競合的所管が認められるか争いがあるところ、これを認めず院内手続準則は議院規則の排他的所管と解する立場からは、国会法所定の院内手続部分については、違憲無効と解するほかない。
- 1 正しい
- 2 誤っている
正答 2,2,2(配点 3)
参考
正解はア=2、イ=2、ウ=2(いずれも誤り)。ア:国政調査権には司法権の独立からの限界があり、裁判官の訴訟指揮等を対象とする調査は許されないが、行政監督等の別個の目的に基づくのであれば、裁判所で審理中の事件と同一事実について裁判と並行して調査すること(いわゆる並行調査)は許されると解されている。記述は並行調査も許されないとする点が誤り。イ:懲罰の対象は院内の秩序を乱す行為に限られ院外の行動には及ばないのが原則であるが、国会法上、正当な理由なく召集(招集)に応じない議員等は懲罰の対象となりうる。記述は対象とならないとする点が誤り。ウ:院内手続準則を議院規則の排他的所管と解する立場からも、国会法の当該規定を直ちに違憲無効と解するのではなく、効力の優劣の問題等として処理する見解が一般的であり、記述は違憲無効と解するほかないと断ずる点が誤り。
自作の解説(憲法・国会法に基づく)
関連条文
出典 法務省 令和6年司法試験 短答式試験 問題集[憲法]第14問/憲法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00241.html