司法試験 短答式 2024 憲法 第17問
予算の法的性質については、法律とは異なる独自の法形式とする見解(予算法形式説)と、法律の一種とする見解(予算法律説)がある。これらの見解に関する次のアからウまでの各記述について、正しいものには○、誤っているものには×を付した場合の組合せを、後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は、[No.33])
- ア 予算法形式説に立つと、予算に対する国会の修正に制限は存しないと解することはできない。
- イ 予算法律説に立つと、予算の議決には原則として法律案の議決について定める憲法第59条第1項が適用され、この規定の「憲法に特別の定のある場合」として憲法第60条の衆議院の先議権と衆議院の優越が適用されると解される。
- ウ 予算措置を必要とする法律が成立したのにそれを執行するための予算が伴わないという事態は、予算法律説とは異なり、予算法形式説に立つと生じない。
- 1 ア○ イ○ ウ○
- 2 ア○ イ○ ウ×
- 3 ア○ イ× ウ○
- 4 ア○ イ× ウ×
- 5 ア× イ○ ウ○
- 6 ア× イ○ ウ×
- 7 ア× イ× ウ○
- 8 ア× イ× ウ×
正答 6(配点 2)
参考
正解は6(ア×・イ○・ウ×)。ア:予算法形式説からは内閣の予算提出権を尊重して国会の増額修正に限界を認める見解が有力であるが、形式説に立っても財政民主主義を重視して修正に制限はないと解する余地はあり、形式説から一律に「修正に制限は存しないと解することはできない」と帰結することはできない。誤り。イ:予算法律説に立つと、予算の議決にも法律案の議決を定める憲法59条1項が原則として適用され、その「憲法に特別の定のある場合」として60条の衆議院の先議権・優越が適用されると解される。正しい。ウ:予算と法律を別個の法形式とみる予算法形式説の方が、法律は成立したのに予算が伴わないという両者の不一致が生じうる。予算も法律とみる予算法律説では一体的に処理され不一致は生じにくい。記述は形式説に立つと生じないとする点が逆であり、誤り。
自作の解説(憲法および学説に基づく)
関連条文
出典 法務省 令和6年司法試験 短答式試験 問題集[憲法]第17問/憲法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00241.html