司法試験 短答式 2024 憲法 第8問
教育を受ける権利に関する次のアからウまでの各記述について、bの見解がaの見解の根拠となっている場合には1を、そうでない場合には2を選びなさい。(解答欄は、アからウの順に[No.14]から[No.16])
- ア
a 教育行政機関は、法律の授権に基づいて、公教育における教育の内容及び方法について決定権能を有する。
b 国民全体の教育意思は、憲法の採用する議会制民主主義の下においては、国会の法律制定を通じて具体化されるべきものである。
- イ
a 高等学校における教育の目的を達成するためには、高等学校の教師に教育の具体的内容及び方法についての裁量を広く認めるべきである。
b 高等学校において、生徒の側には、教師の教育内容を批判する十分な能力は備わっておらず、国が教育の一定水準を維持する必要がある。
- ウ
a 憲法第26条第2項後段は、義務教育は無償とするとしているところ、当然に国が一切の費用を負担しなければならないとはいえないから、その無償の範囲は授業料であると解される。
b 義務教育は単なる国家的要請ではなく、親が本来有している子女を教育すべき義務を全うさせようとする趣旨によるものである。
- 1 bはaの根拠になっている
- 2 bはaの根拠になっていない
正答 1,2,1(配点 3)
参考
正解はア=1、イ=2、ウ=1。ア:bは国民全体の教育意思が国会の法律制定を通じて具体化されるとするから、bは、教育行政機関が法律の授権に基づき教育内容等の決定権能を有するとするaの根拠になっている。イ:bは、生徒に批判能力が備わらず国が水準維持を要するという、むしろ教師の裁量を限界づける方向の事情であって、教師に広い裁量を認めるべきとするaの根拠にはなっていない(旭川学力テスト事件は普通教育における完全な教授の自由を否定した)。ウ:bは義務教育が親の子女教育義務を全うさせる趣旨であるとするもので、無償の範囲を授業料に限るとするa(教科書代金事件・最大判昭和39年2月26日と同旨)の根拠になっている。
自作の解説(憲法および最高裁判例に基づく)
関連条文
関連判例
- 旭川学力テスト事件(最大判昭和51年5月21日刑集30巻5号615頁)
- 教科書代金負担請求事件(最大判昭和39年2月26日民集18巻2号343頁)
出典 法務省 令和6年司法試験 短答式試験 問題集[憲法]第8問/憲法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00241.html