司法試験 短答式 2025 民法 第31問
離婚に伴う財産分与等に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.31])
- ア 裁判所が離婚請求を認容する判決をする場合には、申立てがあるときに限り、裁判所は、財産分与についての裁判をすることができる。
- イ 裁判所は、財産分与の額及び方法を定めるに当たり、離婚した夫婦の一方が過当に負担していた婚姻費用の清算のための給付を考慮することができない。
- ウ 離婚に伴う財産分与請求権は、協議又は審判によって具体的内容が確定する前であっても、債権者代位権の被保全債権とすることができる。
- エ 書面によらない財産分与契約は、履行の終わった部分を除き、各当事者が解除をすることができる。
- オ 離婚に伴う慰謝料として夫婦の一方が負担すべき損害賠償債務の額を超えた金額を支払う旨の合意は、当該損害賠償債務の額を超えない部分については、詐害行為取消権行使の対象とならない。
- 1 ア ウ
- 2 ア オ
- 3 イ ウ
- 4 イ エ
- 5 エ オ
正答 2(配点 2)
参考
正解は2(正しいのはア・オ)。ア:財産分与の処分は当事者の申立てによってされるから、裁判所は申立てがあるときに限り財産分与についての裁判をすることができる。オ:離婚に伴う慰謝料の支払合意は、その額が損害賠償債務の額を超えない部分については相当であり詐害行為取消権の対象とならない(判例)。イ:財産分与の額・方法を定めるに当たっては、過当に負担した婚姻費用の清算のための給付も考慮することができる(最判昭和53年11月14日)から誤り。ウ:財産分与請求権は協議又は審判で具体的内容が確定するまでは範囲・内容が不確定であり、債権者代位権の被保全債権とすることはできない(最判昭和55年7月11日)から誤り。エ:財産分与契約は贈与ではなく、書面によらない贈与の解除(民法550条)の対象とならないから、解除できるとするのは誤り。
自作の解説(離婚に伴う財産分与に関する規定および参照判例に基づく)
関連条文
関連判例
- 婚姻費用の清算と財産分与(最判昭和53年11月14日)
- 財産分与請求権と債権者代位(最判昭和55年7月11日民集34巻4号628頁)
出典 法務省 令和7年司法試験 短答式試験 問題集[民法]第31問/民法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00267.html