司法試験 短答式 2025 民法 第4問
Aは、自己に代理権がないことを知りながら、Bの代理人としてCと契約を締結した。Cは、契約当時、Aに代理権がないことを知らなかった。この事例に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.4])
- ア Aがした契約をBが追認しない間は、Cは、その契約を取り消すことができる。
- イ CがBに対し、相当の期間を定めて、その期間内にAがした契約を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をした場合において、Bがその期間内に確答をしないときは、その契約を追認したものとみなされる。
- ウ CがAに代理権がなかったことを過失によって知らなかったときは、Aは、Cに対して無権代理人の責任を負わない。
- エ BがAのした契約について追認を拒絶したときは、その後AがBを相続したとしても、その契約が有効になるものではない。
- オ Cから無権代理人の責任として契約の履行を求められたAは、その履行に代えて、損害の賠償をすることができる。
- 1 ア ウ
- 2 ア エ
- 3 イ ウ
- 4 イ オ
- 5 エ オ
正答 2(配点 2)
参考
正解は2(正しいのはア・エ)。ア:善意の相手方Cは、本人Bが追認しない間は契約を取り消すことができる(民法115条)。エ:本人が追認を拒絶した後は無権代理行為の効果が本人に帰属しないことが確定するから、その後無権代理人が本人を相続しても契約は有効にならない(最判平成10年7月17日)。イ:催告に対し本人が確答しないときは追認を拒絶したものとみなされる(民法114条)から誤り。ウ:相手方が過失により代理権のないことを知らなかったときでも、無権代理人が自ら代理権のないことを知っていたときは無権代理人は責任を負う(民法117条2項2号ただし書)から誤り。オ:無権代理人の責任は相手方の選択に従い履行又は損害賠償であり、無権代理人が損害賠償を選べるわけではない(民法117条1項)から誤り。
自作の解説(民法の無権代理の規定および参照判例に基づく)
関連条文
関連判例
- 無権代理人による本人相続・追認拒絶後の相続(最判平成10年7月17日民集52巻5号1296頁)
出典 法務省 令和7年司法試験 短答式試験 問題集[民法]第4問/民法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00267.html