司法試験 短答式 2025 民法 第8問

不動産物権変動に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.8])
  1. AがA所有の甲土地をBに売却し、Bがその引渡しを受けた時から1年を経過した後、Aが甲土地をCに売却し、Cが所有権移転登記を備えたときは、Bが主張する所有権の取得時効の期間は、Cが所有権移転登記を備えた時から起算する。
  2. 入会権の取得は、入会権が共有の性質を有するかどうかにかかわらず、登記をしないで、第三者に対抗することができる。
  3. 不動産質権の設定は、現実の引渡しがあっても、登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
  4. AがAのBに対するα債権を担保するため、C所有の甲土地についてCから抵当権の設定を受けた後、Aがその抵当権をDのAに対するβ債権の担保とした場合において、AがBに転抵当権の設定を通知したときであっても、AがCに転抵当権の設定を通知せず、かつ、Cがこれを承諾しなかったときは、Cは、Dの同意を得ないでしたα債権の弁済をDに対抗することができる。
  5. AがA所有の甲土地をBに売却した後、Aが死亡した場合において、Aの唯一の相続人Cが甲土地をDに売却したときは、Bは、登記を備えないで、甲土地の所有権の取得を第三者Dに対抗することができる。
  1. 1 ア エ
  2. 2 ア オ
  3. 3 イ ウ
  4. 4 イ エ
  5. 5 ウ オ

正答 3(配点 2)

参考

正解は3(正しいのはイ・ウ)。イ:入会権は登記する方法がなく、共有の性質を有するかどうかにかかわらず、登記なくして第三者に対抗できる。ウ:不動産質権は引渡しが効力要件であるが(民法344条)、第三者に対する対抗要件は登記である(民法177条)。ア:取得時効の起算点は占有開始時であり、当事者が任意に選択したり第三者の登記時に動かすことはできないから誤り。エ:転抵当の対抗等の関係を踏まえると本記述は誤り。オ:相続人Cは被相続人Aの売主たる地位を承継し、BとDは対抗関係に立つから、Bは登記を備えなければDに対抗できず、誤り。

自作の解説(不動産物権変動に関する規定および参照判例に基づく)

関連条文

出典 法務省 令和7年司法試験 短答式試験 問題集[民法]第8問/民法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00267.html