司法試験 短答式 2025 憲法 第11問
主権に関する次のアからウまでの各記述について、bの見解がaの見解の批判となっている場合には1を、そうでない場合には2を選びなさい。(解答欄は、アからウの順に[No.19]から[No.21])
- ア
a 国民主権に基づく憲法において、独裁制を規定することは可能である。
b 国民主権とは、国家権力の正当性の根拠は国民にあるとする原理である。
- イ
a 国民主権原理にいう「国民」とは、観念的抽象的に想定される全国民という統一体のことである。
b 国民主権原理は、代表民主制の下でも、直接民主制的制度をできる限り求める原理と捉えるべきである。
- ウ
a 日本国憲法制定に先立ち、日本によるポツダム宣言の受諾により主権の所在が天皇から国民へと変更され、法的意味での革命があったとみることができる。
b 憲法改正には限界があり、主権の所在等の基本原理は憲法改正手続では変更できないと解釈すべきである。
- 1 bはaの批判になっている
- 2 bはaの批判になっていない
正答 2,1,2(配点 3)
参考
正解はア=2、イ=1、ウ=2。ア:bは国民主権の正当性の契機(権力の正当性の根拠が国民にある)を述べるもので、a(正当性が国民にあれば統治形態として独裁制も可能とする立場)の前提を説明するにとどまり、批判にはなっていない。イ:aは「国民」を全国民の統一体と捉えるナシオン主権的理解で代表制と結びつく。bは直接民主制的契機を重視するプープル主権的立場からできる限り直接民主制を求めるべきとするもので、aへの批判になっている。ウ:b(憲法改正限界説)は、主権の所在の変更が改正手続では行えないことを前提とするから、むしろa(八月革命説)を基礎付けるものであり、批判にはなっていない。
自作の解説(国民主権・憲法改正に関する学説に基づく)
関連条文
出典 法務省 令和7年司法試験 短答式試験 問題集[憲法]第11問/憲法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00267.html