司法試験 短答式 2025 憲法 第4問
憲法第19条に関する次のアからウまでの各記述について、最高裁判所の判例の趣旨に照らして、正しいものには○、誤っているものには×を付した場合の組合せを、後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は、[No.6])
- ア 公立学校の卒業式において、教諭に国歌斉唱の際の起立斉唱を求める職務命令は、かかる起立斉唱行為が一般的、客観的に見て式典における慣例上の儀礼的な所作としての性質を有するものであったとしても、その教諭の有する歴史観ないし世界観と相違する外部的行為を求めることとなり、思想及び良心の自由についての直接的な制約となる。
- イ 他人の名誉を毀損した者に対して、謝罪広告を新聞紙等に掲載すべきことを命ずる判決は、謝罪広告が単に事態の真相を告白し陳謝の意思を表明するにとどまる程度のものであれば、代替執行により強制執行がなされたとしても、債務者の人格を無視し、意思決定の自由ないし良心の自由を不当に制限することにはならない。
- ウ 高等学校の入学者選抜の資料の一つである調査書は、客観的事実を公正に記載すべきであるが、調査書の備考欄に生徒が大学の特定の政治集会に参加している旨の記載をすることは、その客観的事実から生徒の思想、信条を了知し得るので、生徒の思想、信条自体を高等学校の入学者選抜の資料に供したものと解さざるを得ない。
- 1 ア○ イ○ ウ○
- 2 ア○ イ○ ウ×
- 3 ア○ イ× ウ○
- 4 ア○ イ× ウ×
- 5 ア× イ○ ウ○
- 6 ア× イ○ ウ×
- 7 ア× イ× ウ○
- 8 ア× イ× ウ×
正答 6(配点 2)
参考
正解は6(ア× イ○ ウ×)。ア:誤り。君が代起立斉唱事件(最判平成23年5月30日ほか)は、起立斉唱の職務命令は思想・良心の自由の間接的な制約となる場合があるとしたにとどまり、直接的な制約とはしていない。イ:正しい。謝罪広告事件(最大判昭和31年7月4日)は、単に事態の真相を告白し陳謝する程度の謝罪広告であれば代替執行によっても良心の自由を不当に制限しないとした。ウ:誤り。麹町中学内申書事件(最判昭和63年7月15日)は、政治活動の記載は外部的行為の記載にとどまり、思想・信条自体を了知させ又はこれを資料に供したものではないとした。
自作の解説(憲法第19条および参照判例に基づく)
関連条文
関連判例
- 君が代起立斉唱事件(最判平成23年5月30日)
- 謝罪広告事件(最大判昭和31年7月4日民集10巻7号785頁)
- 麹町中学内申書事件(最判昭和63年7月15日)
出典 法務省 令和7年司法試験 短答式試験 問題集[憲法]第4問/憲法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00267.html