検査で陽性だったときに本当に病気である確率を求めます。事前確率 P(A)、病気のときに陽性となる確率 P(B|A)、病気でないときに陽性となる確率 P(B|Ā) から、P(A|B) を求めます。
解説
ベイズの定理は、新しい情報を得たときに確率を更新する式です。もっとも有名な使い道は、検査で陽性だったときに本当に病気である確率を求めることです。
P(A∣B)=P(A)P(B∣A)+P(Aˉ)P(B∣Aˉ)P(A)P(B∣A) - P(A) — 事前確率。検査を受ける前の、病気である確率(有病率)
- P(B∣A) — 病気の人が陽性になる確率(感度)
- P(B∣Aˉ) — 病気でない人が陽性になる確率(偽陽性率)
分母は「陽性になる人の全体」で、病気で陽性の人と、健康なのに陽性の人を足したものです。
例
有病率 1%(P(A)=0.01)、感度 99%、偽陽性率 5% の検査で陽性が出たとします。
P(B)=0.01×0.99+0.99×0.05=0.0099+0.0495=0.0594 P(A∣B)=0.05940.0099=0.1667 陽性でも、本当に病気である確率は わずか 16.7% です。
なぜこんなに低いのか
1 万人で考えると分かります。病気の人は 100 人で、そのうち 99 人が陽性になります。一方、健康な 9900 人のうち 5% にあたる 495 人も陽性になります。
陽性者は合計 594 人。そのうち本当の病気は 99 人だけ。99÷594=16.7% です。
もともと病気の人が少ないので、健康な人の偽陽性のほうが数で勝ってしまう のです。精度の高い検査でも、まれな病気のスクリーニングでは陽性の多くが偽陽性になります。これを基準率の錯誤といいます。