解説
中和とは、酸が出す H+ と塩基が出す OH− が、ちょうど過不足なく結びつくことです。両者の 物質量が等しくなる 点を中和点といいます。
acaVa=bcbVb - a、b — 酸・塩基の 価数(1 分子が出せる H+ / OH− の数)
- c — モル濃度(mol/L)
- V — 体積(L)
例
0.05 mol/L の硫酸 H2SO4(2 価)10 mL を、0.1 mol/L の水酸化ナトリウム NaOH(1 価)で中和します。
酸が出す H+ の物質量は
2×0.05×0.010=0.001 mol これと等しい OH− を出すのに必要な塩基の体積は
Vb=1×0.10.001=0.010 L=10 mL 価数を忘れない
いちばん多い間違いが 価数の掛け忘れ です。
硫酸は 1 分子から H+ を 2 個出すので、同じ濃度・同じ体積でも、塩酸の 2 倍の塩基が要ります。
- 1 価の酸 — 塩酸 HCl、硝酸 HNO3、酢酸 CH3COOH
- 2 価の酸 — 硫酸 H2SO4
- 1 価の塩基 — 水酸化ナトリウム NaOH
- 2 価の塩基 — 水酸化カルシウム Ca(OH)2
注意
中和点は pH 7 とは限りません。 強酸と弱塩基を中和すると、できた塩が水に溶けて弱い酸性を示すので、中和点は pH 7 より低くなります。滴定の指示薬をメチルオレンジとフェノールフタレインで使い分けるのは、このためです。
また、この式は「酸と塩基が過不足なく反応する量」を出すもので、酸や塩基が強いか弱いか(電離度)は関係しません。酢酸のような弱酸でも、最終的には全部反応するからです。