回転のパネルで U や R' を押すと、その面が回ります。手順のパネルで手順を選ぶと、そろった状態から繰り返しが始まり、元へ戻るまでの周回数を数えます。立方体はドラッグで回し、ホイールで寄り引きし、ダブルクリックで初めの向きへ戻ります。右上の名前で各パネルが開閉し、パネルはドラッグでどこへでも動かせて互いに吸着します。パネルのタイトルをダブルクリックすると、1 枚だけを右上に固定する並べ方に変わります。
ルービックキューブの回転の集まりは、数学でいう群になります。2 つの手を続ければまた 1 つの手になり、何もしない手があり、どの手にも元へ戻す手があり、3 つ続けるときはどこから先に読んでも結果が変わりません。これが群の定義のすべてで、ここではその一行ずつが、実際に押せるものとして目の前にあります。
6 面の回転が、この群の生成元です。どれほど混ざって見える状態も、その 6 つから組み上がったものであり、同じ 6 つでほどけます。逆手は別の手ではありません。U' は U を 3 回まわしたものです。
手順を選んで繰り返すと、立方体は必ずそろった状態へ戻ります。戻るまでの周回数が、その手順の位数です。U だけなら 4 回、2 面を交互に回すだけの R U でも 105 回かかります。これはキューブの不思議ではありません。要素が有限なら、同じ手を繰り返せばいつかは出発点へ帰る。どんな有限群でも成り立つ話です。ここでいちばん長い手順は 1260 回で、R U2 D' B D' がその一つです。
交換子は、ある手、別の手、1 つ目の逆手、2 つ目の逆手、と並べたものです。2 つの手が互いに邪魔をしないなら、この 4 つは打ち消し合って何も起こりません。実際には邪魔をするので、わずかに残ります。その残りが小さいことが値打ちで、R U R' D R U' R' D' は駒を 3 個しか動かしません。全体をかき混ぜずに一部だけを動かせる。そろえる手順が成り立つのは、この一点によります。
この群の要素は 43,252,003,274,489,856,000 個あります。角 8 個の並べ方が 8!、辺 12 個の並べ方が 12!、角のひねりが 3 の 7 乗、辺の裏返しが 2 の 11 乗で、これらを掛けて 2 で割った数です。指数が 8 と 12 ではなく 7 と 11 なのは、ひねりの合計が 3 の倍数に、裏返しの数が偶数に決まっているためです。最後に 2 で割るのは、角の入れ替えと辺の入れ替えの偶奇が必ずそろうからです。だからキューブをばらして適当に組み直すと、12 通りに 1 通りしかそろう状態になりません。
混ぜるボタンは、でたらめに選んだ 20 手を回します。そろえる手順はわざと置いていません。このページで見せたいのは、そろえ方ではなく手そのものの正体です。どの手も有限群の要素で、それぞれに位数があり、必ず元へ戻せて、すべては 6 つの回転からできています。