司法試験 短答式 2022 憲法 第16問
裁判官の身分保障に関する次のアからウまでの各記述について、正しいものには○、誤っているものには×を付した場合の組合せを、後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は、[No.32])
- ア 裁判官は、裁判により心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、最高裁判所の裁判官については国民審査によることなしには、また、下級裁判所の裁判官については公の弾劾によることなしには、罷免されることはない。
- イ 裁判官の罷免事由である「心身の故障」とは、裁判官の職務を遂行することができない程度の精神上の能力の喪失又は身体的故障で、相当長期間にわたって継続することが確実に予想される場合をいうと解されており、一時的な故障は、たとえそれがどのように重大なものであってもこれに当たらない。
- ウ 憲法第78条は、裁判官の懲戒処分は行政機関が行うことはできないと規定しているところ、これは、裁判官の懲戒処分は裁判所が行うべきことを定めているものと解されており、その手続については、法律上、裁判により行うことが規定されている。
- 1 ア○ イ○ ウ○
- 2 ア○ イ○ ウ×
- 3 ア○ イ× ウ○
- 4 ア○ イ× ウ×
- 5 ア× イ○ ウ○
- 6 ア× イ○ ウ×
- 7 ア× イ× ウ○
- 8 ア× イ× ウ×
正答 5(配点 2)
参考
正解は5(ア×、イ○、ウ○)。ア:憲法78条は、裁判官は裁判により心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されないと定める。最高裁判所の裁判官は国民審査によっても罷免され得る(79条2項・3項)が、公の弾劾による罷免が排除されるわけではない。最高裁の裁判官は国民審査によることなしには罷免されないとする記述は誤り。イ:裁判官分限法1条1項の「心身の故障」とは、裁判官の職務を遂行することができない程度の精神上の能力の喪失又は身体的故障で、相当長期間にわたって継続することが確実に予想される場合をいうと解されており、一時的な故障はこれに当たらない。ウ:憲法78条後段は裁判官の懲戒処分を行政機関が行うことはできないと定め、これを受けて裁判官分限法は、懲戒を裁判所が裁判により行うものとしている。
自作の解説(憲法第78条・第79条および裁判官分限法に基づく)
関連条文
出典 法務省 令和4年司法試験 短答式試験 問題集[憲法]第16問/憲法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00104.html