司法試験 短答式 2022 憲法 第20問
憲法改正に関する次のアからウまでの各記述について、それぞれ正しい場合には1を、誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は、アからウの順に[No.38]から[No.40])
- ア 憲法改正の公布は、天皇が内閣の助言と承認のもとで「国民の名で」行うものとされており、「国民の名で」というのは、憲法改正が主権の存する国民の意思によることを明らかにする趣旨である。
- イ 憲法改正は、国会が発議し、国民の承認を経ることによって成立するもので、国民主権に関わることから、特別の国民投票又は直近の衆議院議員総選挙の際に行われる投票においてその過半数の賛成を必要とする。
- ウ 憲法を始源的に創設する憲法制定権力と憲法によって与えられた憲法改正権とを区別する考えは、憲法改正には法的な限界があるとする見解の根拠となる。
- 1 正しい
- 2 誤っている
正答 1,2,1(配点 3)
参考
正解はア=1、イ=2、ウ=1。ア:憲法改正は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する(憲法96条2項)。「国民の名で」とは、憲法改正が主権の存する国民の意思によるものであることを明らかにする趣旨であり、公布は天皇が内閣の助言と承認により行う国事行為である(7条1号)。イ:憲法96条1項は、改正の承認には「特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票」において、その過半数の賛成を必要とすると定める。「国会の定める選挙」は衆議院議員総選挙に限られず、参議院議員通常選挙の際に行うこともあり得るから、「直近の衆議院議員総選挙の際に行われる投票」に限る記述は誤り。ウ:憲法を始源的に創設する憲法制定権力と、憲法によって与えられた憲法改正権とを区別する考えは、改正権が制定権力の所産である憲法の枠内でしか行使できないとして、憲法改正に法的限界があるとする見解(改正限界説)の根拠となる。
自作の解説(憲法第7条・第96条および憲法改正の限界に関する学説に基づく)
関連条文
出典 法務省 令和4年司法試験 短答式試験 問題集[憲法]第20問/憲法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00104.html