司法試験 短答式 2022 憲法 第4問
憲法第20条に関する次のアからウまでの各記述について、bの見解がaの見解の批判となっている場合には1を、そうでない場合には2を選びなさい。(解答欄は、アからウの順に[No.6]から[No.8])
- ア
a 憲法第20条第2項と同条第3項の規定は、その目的、趣旨、対象、範囲を異にしており、同条第2項の「宗教上の行為、祝典、儀式又は行事」は、必ずしも全てが同条第3項の「宗教的活動」に含まれるという関係にはない。
b 憲法第20条第3項の「宗教的活動」に含まれない宗教上の祝典、儀式、行事等であっても、国家がこれに参加を強制すれば、同条第2項違反の問題が生じ得る。
- イ
a 憲法第20条第3項にいう「宗教的活動」とは、国及びその機関の活動の中で宗教と関わりを持つ全ての行為を指すものではなく、その関わりが相当とされる限度を超えるものに限られる。
b 国家が社会生活に規制を加え、あるいは教育、福祉、文化等に関する助成、援助等の諸施策を実施するに当たって、宗教と一定の関わりを生ずることは避けられない。
- ウ
a 憲法第20条第3項の「宗教的活動」とは、目的が宗教的意義を持ち、効果が宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉等になるものをいい、その該当性判断において、一般人の宗教的評価や行為者の意図等の主観、行為が一般人に与える影響等も考慮すべきである。
b 「宗教的活動」の該当性判断において一般人の宗教的評価等を考慮することは、多数者による少数者の信仰の抑圧につながる可能性がある。
- 1 bはaの批判になっている
- 2 bはaの批判になっていない
正答 2,2,1(配点 3)
参考
正解はア=2、イ=2、ウ=1。ア:aは憲法20条2項と3項が目的・趣旨・対象・範囲を異にするという立場。bは、3項の「宗教的活動」に当たらない祝典・儀式でも国家が参加を強制すれば2項違反となり得るという。これは両条項を区別するaの立場から導かれる帰結であって、aへの批判ではない。イ:aは「宗教的活動」を、宗教との関わりが相当とされる限度を超えるものに限る立場(津地鎮祭事件の目的効果基準の前提)。bは、国家の諸施策が宗教と一定の関わりを生ずることは避けられないという。これはaの限定を支える理由であり、批判ではない。ウ:aは目的効果基準の当てはめに当たり一般人の宗教的評価等を考慮すべきとする。bは、一般人の宗教的評価を持ち込むことが多数者による少数者の信仰の抑圧につながり得ると指摘するもので、aへの批判になっている。
自作の解説(憲法第20条および最高裁判例に基づく)
関連条文
関連判例
- 津地鎮祭事件(最大判昭和52年7月13日民集31巻4号533頁)
- 愛媛玉串料事件(最大判平成9年4月2日民集51巻4号1673頁)
出典 法務省 令和4年司法試験 短答式試験 問題集[憲法]第4問/憲法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00104.html