司法試験 短答式 2023 民法 第10問
占有回収の訴えに関する次のアからオまでの各記述のうち、誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.10])
- ア Aが所有し占有する動産甲をBが窃取した場合、Aは、Bに対して、所有権に基づく甲の返還請求と、占有回収の訴えによる甲の返還請求とを同時にすることができる。
- イ Aが所有し占有する動産甲をBが詐取した場合において、CがBのもとから甲を窃取したときは、Bは、Cに対して、占有回収の訴えによって甲の返還を求めることができない。
- ウ Aが所有する動産甲についてBが留置権を行使している場合において、CがBのもとから甲を窃取したときは、Bは、Cに対して、占有回収の訴えによって甲の返還を求めることができない。
- エ Aが所有し占有する動産甲を窃取したBが、その事実につき善意であるCに甲を売却し引き渡した場合、Aは、Cに対して、占有回収の訴えによって甲の返還を求めることができない。
- オ Aが自己所有の動産甲をBに賃貸し引き渡していた場合において、CがBのもとから甲を窃取したときは、Aは、Cに対して、占有回収の訴えによって甲の返還を求めることができる。
- 1 ア イ
- 2 ア オ
- 3 イ ウ
- 4 ウ エ
- 5 エ オ
正答 3(配点 2)
参考
正解は3(誤りはイ・ウ)。イ:詐取により占有を取得したBも占有者であり、Cに占有を侵奪されたときは占有回収の訴えによって返還を求めることができる(民法200条1項)。ウ:留置権に基づき甲を占有するBも占有者であるから、Cに侵奪されたときは占有回収の訴えができる。ア・エ・オは正しい(アは占有の訴えと本権の訴えの併存=202条、エは善意の特定承継人には提起できない=200条2項、オは間接占有者による占有回収)。
自作の解説(民法第200条・第202条に基づく)
関連条文
出典 法務省 令和5年司法試験 短答式試験 問題集[民法]第10問/民法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00198.html