司法試験 短答式 2023 民法 第14問

Aが、Bに対して有するα債権の担保として、甲土地及び乙土地について第一順位の抵当権を共同抵当として有する場合に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.14])
  1. 甲土地及び乙土地がBの所有である場合において、両土地についてAの抵当権が実行され、同時にその代価を配当すべきときは、後順位抵当権者がいないとしても、各土地の価額に応じてα債権の負担を按分する。
  2. 甲土地がBの所有であり、乙土地がCの所有であって、甲土地には第二順位の抵当権者Dがいる場合において、Aが甲土地のみについて抵当権を実行し、その代価からα債権の全部の弁済を受けたときは、Dは、乙土地についてAに代位してその抵当権を行使することができる。
  3. 甲土地がBの所有であり、乙土地がCの所有であって、甲土地には第二順位の抵当権者Dがいる場合において、Aが乙土地のみについて抵当権を実行し、その代価からα債権の全部の弁済を受けたときは、Cは、甲土地についてAに代位してその抵当権を行使することができる。
  4. 甲土地及び乙土地がBの所有であり、甲土地には第二順位の抵当権者Cがいる場合において、Aが乙土地の抵当権を放棄して、甲土地について抵当権を実行したときは、乙土地に抵当権が設定されていたことを考慮せずに配当が実施される。
  5. 甲土地及び乙土地がCの所有であって、甲土地には第二順位の抵当権者Dがいる場合において、Aが甲土地のみについて抵当権を実行し、その代価からα債権の全部の弁済を受けたときは、Dは、乙土地についてAに代位してその抵当権を行使することができない。
  1. 1 ア イ
  2. 2 ア ウ
  3. 3 イ エ
  4. 4 ウ オ
  5. 5 エ オ

正答 2(配点 3)

参考

正解は2(正しいのはア・ウ)。ア:同一の債権の担保として数個の不動産に抵当権を有し同時にその代価を配当すべきときは、各不動産の価額に応じて債権の負担を按分する(民法392条1項)。ウ:物上保証人Cは自己所有の乙土地の代価で弁済すれば、債務者B所有の甲土地についてAに代位できる(501条)。イは債務者所有の甲の後順位者Dは物上保証人所有の乙に代位できないから誤り、エは先順位者が一方の抵当権を放棄しても後順位者の代位の期待は害せない(504条参照)から誤り、オは甲乙とも同一の物上保証人所有であれば後順位者は他方に代位できるから誤り。

自作の解説(民法第392条・第501条・第504条および判例に基づく)

関連条文

関連判例

出典 法務省 令和5年司法試験 短答式試験 問題集[民法]第14問/民法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00198.html