司法試験 短答式 2023 民法 第20問

弁済に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.20])
  1. 債権の目的が特定物の引渡しである場合において、弁済をすべき場所について別段の意思表示がないときは、その引渡しは、債権者の現在の住所においてしなければならない。
  2. 建物の所有を目的とする土地の賃貸借がされた場合において、その建物を賃借した者は、土地の賃借人の意思に反しても、その土地の賃料債務の弁済をすることができる。
  3. 金銭債権の債務者は、一部弁済をするときは、債権者に対し、一部弁済と引換えに、その弁済の限度で受取証書の交付を請求することができる。
  4. 金銭債権の債務者が債権者との間で金銭の支払に代えて特定物を譲渡することにより債務を消滅させる旨の契約をしたときは、目的物の所有権は、別段の意思表示がない限り、その契約がされた時点で債権者に移転する。
  5. 債権者Aから弁済を受領する権限を付与されていないBが、Aの代理人と称して債権を行使し、債務者Cから弁済を受領したときは、Cが善意無過失であったとしても、その弁済は効力を有しない。
  1. 1 ア ウ
  2. 2 ア オ
  3. 3 イ ウ
  4. 4 イ エ
  5. 5 エ オ

正答 2(配点 2)

参考

正解は2(誤りはア・オ)。ア:特定物の引渡しは、別段の意思表示がないときは、債権発生の時にその物が存在した場所においてすべきであり(民法484条1項)、債権者の現在の住所とする記述は誤り。オ:受領権者としての外観を有する者に対する弁済は、弁済者が善意無過失であれば効力を有し(478条)、Aの代理人と称する者に善意無過失で弁済したCの弁済は有効であるから、効力を有しないとする記述は誤り。イ・ウ・エは正しい(イは474条、ウは486条、エは代物弁済の所有権移転に関する判例)。

自作の解説(民法第474条・第478条・第484条・第486条および判例に基づく)

関連条文

関連判例

出典 法務省 令和5年司法試験 短答式試験 問題集[民法]第20問/民法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00198.html