司法試験 短答式 2023 民法 第35問
相続人の不存在に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.35])
- ア 相続人が存在しない場合であっても、相続財産全部の包括受遺者が存在するときは、相続財産法人は成立しない。
- イ 相続財産の清算人が選任された後に相続人のあることが明らかになった場合には、相続財産の清算人の代理権は、それによって直ちに消滅する。
- ウ 家庭裁判所は、相当と認めるときは、職権で、特別縁故者に相続財産の分与をすることができる。
- エ AがBのために抵当権を設定したものの、その登記がされないうちにAが死亡した場合において、Aの相続人が存在せず相続財産法人が成立したときは、Bは、相続財産法人に対して抵当権設定登記手続を請求することができない。
- オ 相続財産の清算人が相続財産に属する財産を売却するときは、家庭裁判所の許可を得なければならない。
- 1 ア ウ
- 2 ア エ
- 3 イ ウ
- 4 イ オ
- 5 エ オ
正答 3(配点 2)
参考
正解は3(誤りはイ・ウ)。イ:相続財産の清算人の代理権は、相続人が相続の承認をした時に消滅するのであって(民法956条1項)、相続人のあることが明らかになったことにより直ちに消滅するわけではないから、記述は誤り。ウ:特別縁故者に対する相続財産の分与は、特別縁故者の請求により家庭裁判所がするものであって(民法958条の2)、職権によるものではないから、記述は誤り。ア・エ・オは正しい(アは包括受遺者がいるとき相続財産法人は成立しないとする判例、オは清算人の財産処分に家庭裁判所の許可を要する点)。
自作の解説(民法第951条・第956条・第958条の2および判例に基づく)
関連条文
関連判例
- 包括受遺者と相続財産法人(最判平成9年9月12日民集51巻8号3887頁)
出典 法務省 令和5年司法試験 短答式試験 問題集[民法]第35問/民法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00198.html