司法試験 短答式 2023 民法 第8問
登記請求権に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.8])
- ア Aの所有する甲土地がAからB、BからCに順次売却された場合において、所有権の登記名義人がAのままであるときは、Cは、Aに対し、AからCへの真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記手続を請求することができる。
- イ Aの所有する甲土地につき、Bが第一順位の抵当権を有し、Cが第二順位の抵当権を有する場合において、Bの抵当権の被担保債権が弁済により消滅したときは、Cは、Bに対し、抵当権設定登記の抹消登記手続を請求することができる。
- ウ Aがその所有する甲土地をBに売却したにもかかわらず、AからBへの所有権移転登記手続にBが協力しないときは、Aは、Bに対し、その所有権移転登記手続を請求することができる。
- エ Aの所有する甲土地を購入したBが、甲土地をCに売却してその所有権を失った場合には、Bは、Aに対し、AからBへの所有権移転登記手続を請求することができない。
- オ Aの所有する甲土地がAからB、BからCに順次売却されて、それぞれその旨の所有権移転登記がされた場合において、いずれの売買契約も無効であるときは、Bは、Cに対し、BからCへの所有権移転登記の抹消登記手続を請求することができる。
- 1 ア ウ
- 2 ア エ
- 3 イ ウ
- 4 イ オ
- 5 エ オ
正答 2(配点 2)
参考
正解は2(誤りはア・エ)。ア:判例(最判平成22年12月16日)は、真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記請求を中間省略登記の手段として用いることを認めず、CがAに対し直接その移転登記を請求することはできない。エ:中間者Bは既に所有権を失っていても、物権変動の過程を登記に反映するため、Aに対しAからBへの所有権移転登記手続を請求することができる。イ・ウ・オは正しい。
自作の解説(民法第177条および判例に基づく)
関連条文
関連判例
- 真正な登記名義の回復と中間省略登記(最判平成22年12月16日民集64巻8号2050頁)
出典 法務省 令和5年司法試験 短答式試験 問題集[民法]第8問/民法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00198.html