司法試験 短答式 2023 民法 第9問
不動産を目的とする権利変動の対抗に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.9])
- ア 竹木所有のための地上権を時効取得した者は、登記をしなくても、その後にその地上権の目的土地を購入しその旨の登記をした者に地上権の取得を対抗することができる。
- イ 承役地について地役権設定登記がされている場合において、要役地が譲渡されたときは、譲受人は、要役地の所有権移転登記があれば、第三者に地役権の移転を対抗することができる。
- ウ 一般先取特権は、不動産についてその登記がされていなくても、当該不動産上に存する登記がされた抵当権に優先する。
- エ 引渡しにより対抗要件を具備した建物の賃貸借につき、その引渡し前に登記をした抵当権を有する全ての者が同意をしたときは、賃借人は、抵当権の実行により当該建物を買い受けた者に賃借権の設定を対抗することができる。
- オ 永小作権を目的として抵当権を設定した永小作人は、その永小作権を放棄したとしても、その放棄をもって抵当権者に対抗することができない。
- 1 ア ウ
- 2 ア エ
- 3 イ ウ
- 4 イ オ
- 5 エ オ
正答 4(配点 2)
参考
正解は4(正しいのはイ・オ)。イ:地役権は要役地の所有権に従たる権利として移転し、要役地の所有権移転登記があれば地役権の移転を第三者に対抗できる(民法281条・177条)。オ:地上権又は永小作権を目的として抵当権を設定した者は、その権利を放棄しても抵当権者に対抗できない(398条)。アは時効完成後に登記した第三者には登記なく対抗できないから誤り、ウは一般先取特権は登記なくして登記した抵当権に優先しないから誤り(336条ただし書)、エは抵当権者全員の同意に加え同意の登記を要するから誤り(387条)。
自作の解説(民法第281条・第336条・第387条・第398条および判例に基づく)
関連条文
出典 法務省 令和5年司法試験 短答式試験 問題集[民法]第9問/民法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00198.html