司法試験 短答式 2023 憲法 第13問

憲法第9条に関する次のアからウまでの各記述について、正しいものには○、誤っているものには×を付した場合の組合せを、後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は、[No.27])
  1. 憲法第9条第2項で否認されている交戦権の内容を、国家が交戦者として有する権利とする国際法上の用例に従って解するのでなく、国家として戦争を行う権利と広く解する見解に対しては、同条第1項の規定との重複が避けられないとの批判がある。
  2. 判例は、憲法第9条第1項によっても我が国が主権国家として持つ固有の自衛権は何ら否定されたものでなく、同条第2項は自衛のための戦力の保持まで禁じたものではないから、我が国の平和と安全の維持を目的としたアメリカ合衆国軍隊の駐留は同条に違反しないとしている。
  3. 判例は、憲法前文に規定されている「平和のうちに生存する権利」はあらゆる基本的人権を支える基礎的な権利であるため、具体的訴訟においても、それ自体で独立して私法上の行為の効力を判断する基準になるとしている。
  1. 1 ア○ イ○ ウ○
  2. 2 ア○ イ○ ウ×
  3. 3 ア○ イ× ウ○
  4. 4 ア○ イ× ウ×
  5. 5 ア× イ○ ウ○
  6. 6 ア× イ○ ウ×
  7. 7 ア× イ× ウ○
  8. 8 ア× イ× ウ×

正答 4(配点 2)

参考

正解は4(ア○イ×ウ×)。ア:交戦権を「国家として戦争を行う権利」と広く解する見解に対しては、戦争放棄を定める同条1項との重複が避けられないとの批判があり、記述は学説上の指摘として正しい(○)。イ:砂川事件(最大判昭和34年12月16日刑集13巻13号3225頁)は、我が国が主権国として有する固有の自衛権は否定されないとしつつ、駐留アメリカ合衆国軍隊は我が国が指揮権・管理権を有する戦力ではないから憲法9条2項の「戦力」に当たらないとして違憲でないとしたのであって、同項が自衛のための戦力保持まで禁じてはいないとの理由によるものではない。理由付けを異にする記述は誤り(×)。ウ:百里基地訴訟(最判平成元年6月20日民集43巻6号385頁)等の趣旨に照らせば、前文のいわゆる平和的生存権が、それ自体で私法上の行為の効力を判断する基準になるとは解されておらず、これを認めるとする記述は誤り(×)。

自作の解説(憲法第9条および最高裁判例に基づく)

関連条文

関連判例

出典 法務省 令和5年司法試験 短答式試験 問題集[憲法]第13問/憲法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00198.html