司法試験 短答式 2023 刑法 第11問
賄賂罪に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.22])
- ア 公立中学校の教員が、自らが担任を務める生徒の保護者から商品券を受け取った場合、それが慣行的社交儀礼としてなされたものであっても、常に「賄賂」に当たる。
- イ 賄賂罪の客体である「賄賂」の対象となり得る利益は、有体物に限られないものの、財産上の利益である必要がある。
- ウ 収賄罪において賄賂と対価関係に立つ行為は、法令上公務員の一般的職務権限に属する行為であれば足り、公務員が具体的事情の下においてその行為を適法に行うことができたかどうかは問わない。
- エ 第三者供賄罪において、賄賂の供与を受ける「第三者」に法人は含まれない。
- オ 裁判所は、収賄の共同正犯者が共同して収受した賄賂について、共犯者各自に対し、公務員の身分の有無にかかわらず、それぞれその価額全部の追徴を命じることができ、相当と認められる場合には、裁量により、各自にそれぞれ一部の額の追徴を命じ、あるいは一部の者にのみ追徴を科することも許される。
- 1 ア イ
- 2 ア ウ
- 3 イ エ
- 4 ウ オ
- 5 エ オ
正答 4(配点 2)
参考
正解は4(正しいのはウ・オ)。ウ:収賄罪において賄賂と対価関係に立つ行為は、法令上公務員の一般的職務権限に属すれば足り、具体的事情の下でその行為を適法に行い得たかを問わないから正しい。オ:共同して収受した賄賂について、各共犯者に価額全部の追徴を命じることができ、裁量により一部の追徴や一部の者にのみ追徴を科すことも許されるから正しい。アは慣行的社交儀礼の範囲内であれば賄賂性が否定される場合があるから誤り、イは賄賂は財産的利益に限られず人の需要・欲望を満たす一切の利益を含むから誤り、エは第三者供賄罪の「第三者」に法人も含まれるから誤り。
自作の解説(刑法第197条・第197条の2および判例に基づく)
関連条文
出典 法務省 令和5年司法試験 短答式試験 問題集[刑法]第11問/刑法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00198.html