司法試験 短答式 2023 刑法 第12問

緊急避難に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.23])
  1. 緊急避難は、自己又は他人の生命、身体、自由又は財産という個人的法益に対する現在の危難を避けるためにした行為に成立するものであるから、国家的法益に対する危難を避けるためにした行為に緊急避難が成立することはない。
  2. 避難行為により避けようとした害の程度が生じた害の程度を上回る場合だけでなく、両者が同程度の場合にも、緊急避難は成立し得る。
  3. 緊急避難における現在の危難は、危難が現に存在している場合のみならず、間近に押し迫っている場合も含む。
  4. 過剰避難が成立する場合、情状によって、その刑を減軽することはできるが免除することはできない。
  5. 緊急避難におけるやむを得ずにした行為とは、正当防衛におけるのと同様に、手段として必要最小限度のものであること、すなわち相当性を有するものであれば足りる。
  1. 1 ア エ
  2. 2 ア オ
  3. 3 イ ウ
  4. 4 イ エ
  5. 5 ウ オ

正答 3(配点 2)

参考

正解は3(正しいのはイ・ウ)。イ:緊急避難は、生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に成立し、両者が同程度の場合にも成立し得るから正しい。ウ:現在の危難には、危難が現に存在する場合のみならず間近に押し迫っている場合も含まれるから正しい。アは国家的法益に対する危難を避けるための行為にも緊急避難が成立し得るから誤り、エは過剰避難は情状により刑を減軽し又は免除することができる(刑法37条1項ただし書)から誤り、オは緊急避難のやむを得ずにした行為には補充性が要求され、正当防衛と同様に相当性を有すれば足りるものではないから誤り。

自作の解説(刑法第37条および判例に基づく)

関連条文

出典 法務省 令和5年司法試験 短答式試験 問題集[刑法]第12問/刑法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00198.html