司法試験 短答式 2023 刑法 第18問
正当防衛に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合、正しいものを2個選びなさい。(解答欄は、[No.29]、[No.30]順不同)
- 1 刑法第36条第1項における「権利」には、個人の生命、身体、自由のみならず、財産も含まれる。
- 2 急迫不正の侵害に対する反撃行為について防衛の意思と攻撃の意思が併存する場合、正当防衛が成立するには、その主従を比較して、前者が優越する必要がある。
- 3 凶器を持たない相手からの侵害行為に対抗する場合、正当防衛が成立するには、凶器を持たずに対抗する必要がある。
- 4 正当防衛は、不正の侵害に対して成立するから、相手方の過失行為に対しては、正当防衛は成立し得ない。
- 5 急迫不正の侵害に対して憤激又は逆上して反撃を加えた場合でも、正当防衛は成立し得る。
正答 1,5(配点 3)
参考
正解は1・5(正しいもの。順不同)。1:刑法36条1項の「権利」には生命・身体・自由のみならず財産も含まれるから正しい。5:急迫不正の侵害に対し憤激又は逆上して反撃を加えた場合でも、そのことから直ちに防衛の意思が否定されるわけではなく、正当防衛が成立し得るから正しい。2は防衛の意思と攻撃の意思が併存しても正当防衛は成立し得て前者の優越を要しないから誤り、3は武器対等の原則は絶対ではなく凶器を持たない相手に凶器で対抗しても直ちに相当性を欠くとはいえないから誤り、4は過失による侵害も不正の侵害に当たり得るから誤り。
自作の解説(刑法第36条および判例に基づく)
関連条文
出典 法務省 令和5年司法試験 短答式試験 問題集[刑法]第18問/刑法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00198.html