司法試験 短答式 2023 刑法 第6問

性的自由に対する罪に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討し、正しい場合には1を、誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は、アからオの順に[No.11]から[No.15])
  1. 強制わいせつ罪は、暴行又は脅迫を用いて相手方の反抗を著しく困難にしてわいせつな行為をした場合に成立するから、不意をついて相手方の陰部に触れた場合には、同罪が成立することはない。
  2. 強制性交の目的で、相手方の顔面を数回殴る暴行を加え、同人に鼻骨骨折の傷害を負わせたが、そのまま同人に逃げられたため、性交するに至らなかった場合には、強制性交等未遂罪と傷害罪が成立し、両罪は観念的競合となるのであり、強制性交等致傷罪は成立しない。
  3. 13歳の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした場合には、暴行又は脅迫を用いた場合でなくとも監護者わいせつ罪が成立する。
  4. 強制わいせつ罪は、被害者の名誉等を保護する観点から親告罪とされているから、告訴がなければ公訴を提起できない。
  5. 強制性交の目的で、殺意をもって、強度の暴行を加えた上で相手方と性交し、同暴行により、同人を死亡させた場合には、強制性交等致死罪のみが成立する。
  1. 1 正しい
  2. 2 誤っている

正答 公表なし(配点 4)

参考

本問は出題に不備があり、法務省により受験者全員を正答として取り扱うこととされた(正答なし)。参考として、アは強制わいせつ罪の暴行は相手方の反抗を著しく困難にする程度を要せず不意打ちの行為でも成立し得る点、イは強制性交等致傷罪は未遂の機会に傷害を負わせた場合にも成立する点、エは平成29年改正で強制わいせつ罪は非親告罪とされた点、オは殺意をもって死亡させた場合には殺人罪も成立し得る点が、それぞれ問題となる。

自作の解説(出題不備につき参考。刑法第176条・第178条・第181条に関する)

関連条文

出典 法務省 令和5年司法試験 短答式試験 問題集[刑法]第6問/刑法の正解及び配点(第6問は受験者全員を正答として取扱い) https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00198.html