司法試験 短答式 2024 民法 第10問
相隣関係に関する次のアからオまでの各記述のうち、誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
- ア 土地の所有者は、隣地との境界付近における建物の修繕をするため必要な範囲内であれば、隣地上の住家についても、その居住者の承諾なくして立ち入ることができる。
- イ 土地の所有者は、他の土地に設備を設置しなければ電気の供給を受けることができないときは、これを受けるため必要な範囲内で、他の土地に設備を設置することができる。
- ウ 水流が天災により低地において閉塞したときは、高地の所有者は、低地の所有者と共同の費用で、水流の障害を除去するため必要な工事をすることができる。
- エ 境界標の保存の費用は、土地の広狭にかかわらず、相隣者が等しい割合で負担する。
- オ 隣地の竹木の枝が境界線を越えている場合において、その竹木の所有者の所在を知ることができないときは、土地の所有者は、自らその枝を切り取ることができる。
- 1 ア ウ
- 2 ア エ
- 3 イ ウ
- 4 イ オ
- 5 エ オ
正答 1(配点 2)
参考
正解は1(誤りはア・ウ)。ア:隣地の建物の修繕のため必要な範囲で隣地を使用できるが、隣地の住家に立ち入るには居住者の承諾が必要であるから(民法209条1項ただし書)、承諾なく立ち入れるとするのは誤り。ウ:水流が天災により低地で閉塞したときは、高地の所有者は自己の費用で疎通のための工事をすることができるのであって(民法215条)、低地の所有者と共同の費用でするのではないから誤り。イは継続的給付を受けるための設備の設置(民法213条の2)、エは境界標の保存費用の負担(民法224条)、オは所在不明の竹木所有者の枝の切除(民法233条)で、いずれも正しい。
自作の解説(民法の相隣関係に関する規定に基づく)
関連条文
出典 法務省 令和6年司法試験 短答式試験 問題集[民法]第10問/民法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00241.html