司法試験 短答式 2024 民法 第16問
抵当権に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
- ア 甲土地に抵当権が設定された当時、甲土地の上に乙建物が存在していたときは、抵当権者は、その抵当権の実行として甲土地とともに乙建物を競売することができる。
- イ 債務者が所有する甲土地に第一順位及び第二順位の抵当権が設定された場合において、第二順位の抵当権の実行として甲土地の競売がされたときは、第一順位の抵当権は、消滅する。
- ウ 登記をした賃貸借は、その登記前に登記をした抵当権を有する全ての者が同意をしたときであっても、その同意の登記がなければ、その同意をした抵当権者に対抗することができない。
- エ Aが所有する甲土地に抵当権が設定された当時、甲土地の上にAとBが共有する乙建物が存在していた場合において、その抵当権の実行として甲土地の競売がされたときは、法定地上権が成立する。
- オ 抵当権者に対抗することができない賃貸借によって抵当権の目的である甲建物を使用する者は、甲建物が競売されたときは、競売手続の開始前から使用していたとしても、直ちに買受人に甲建物を引き渡さなければならない。
- 1 ア ウ
- 2 ア オ
- 3 イ ウ
- 4 イ エ
- 5 エ オ
正答 2(配点 2)
参考
正解は2(誤りはア・オ)。ア:抵当権設定後に築造された建物についてのみ土地とともに一括競売ができるのであって(民法389条)、設定当時から存在する建物を土地とともに競売できるとするのは誤り。オ:抵当権者に対抗できない賃貸借により競売手続開始前から抵当建物を使用する者には6か月の明渡猶予が認められるから(民法395条)、直ちに引き渡さなければならないとするのは誤り。イは後順位抵当権の実行による先順位抵当権の消滅、ウは抵当権に優先する賃貸借の同意の登記(民法387条)、エは共有建物についての法定地上権の成立(民法388条)で、いずれも正しい。
自作の解説(民法の抵当権に関する規定と判例に基づく)
関連条文
出典 法務省 令和6年司法試験 短答式試験 問題集[民法]第16問/民法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00241.html