司法試験 短答式 2024 民法 第20問
多数当事者の債権及び債務に関する次のアからオまでの各記述のうち、誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
- ア A及びBがCに対し100万円の連帯債権を有する場合において、AがCに履行の催告をしたときは、Bの債権についても、その時から6か月を経過するまでの間、時効の完成が猶予される。
- イ A及びBがCに対し甲土地の引渡しを目的とする不可分債権を有する場合において、Cが死亡し、BがCを単独で相続したときは、Aは、Bに対し、甲土地の引渡しを請求することができる。
- ウ A及びBがCに対し100万円の連帯債務を負い、負担部分は平等であり、AがCに80万円の債権を有している。この場合において、CがBに100万円を請求したときは、Bは、50万円の限度で、AのCに対する債権を自働債権とし、CのAに対する債権を受働債権とする相殺をすることができる。
- エ 不可分債務は、債務の目的がその性質上又は当事者の意思表示によって不可分であるときに成立する。
- オ A及びBがCのDに対する100万円の債務について保証人となり、A及びBが各自全額を弁済すべき旨の特約がされ、負担部分は平等である。この場合に、Aは、Dに20万円を弁済しても、Bに10万円を求償することができない。
- 1 ア イ
- 2 ア ウ
- 3 イ オ
- 4 ウ エ
- 5 エ オ
正答 4(配点 2)
参考
正解は4(誤りはウ・エ)。ウ:連帯債務者の一人が他の連帯債務者に対して債権を有する場合、その債権を有する者が相殺を援用しない間は他の連帯債務者はその負担部分の限度で履行を拒むことができるにとどまり(民法439条2項)、自ら相殺することはできないから誤り。エ:不可分債務はその目的が性質上不可分である場合に成立するのであって(民法430条)、当事者の意思表示による場合を含めるのは誤り。アは連帯債権における請求の絶対効による時効の完成猶予(民法432条)、イは不可分債権と混同、オは共同保証人間の求償が負担部分を超える弁済を要する点(民法465条)で、いずれも正しい。
自作の解説(民法の多数当事者の債権債務に関する規定に基づく)
関連条文
出典 法務省 令和6年司法試験 短答式試験 問題集[民法]第20問/民法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00241.html