司法試験 短答式 2024 民法 第27問

不動産賃貸借に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
  1. 賃借人は、賃借建物について有益費を支出したときは、賃貸人に対し、直ちにその償還を請求することができる。
  2. 建物賃貸借契約に賃料自動増額特約が定められていたときは、賃借人は、賃貸人に対し賃料減額請求権を行使することができない。
  3. 賃貸人の承諾を得て建物の転貸借がされた場合において、賃貸借契約が賃借人の債務不履行を理由とする解除により終了したときは、転貸借契約は、原則として賃貸人が転借人に対して建物の明渡しを請求した時に終了する。
  4. 賃借建物の譲受人が賃貸人たる地位を承継したときは、当該譲受人は、当該建物につき所有権移転登記を備えなければ、賃借人に賃貸人たる地位の移転を対抗することができない。
  5. 借地権者は、同居する子の名義で所有権保存登記がされた建物を借地上に所有していても、借地権をもって当該借地の譲受人に対抗することができない。
  1. 1 ア イ
  2. 2 ア ウ
  3. 3 イ エ
  4. 4 ウ オ
  5. 5 エ オ

正答 1(配点 2)

参考

正解は1(誤りはア・イ)。ア:賃借人が支出した有益費の償還を請求できるのは賃貸借の終了の時であって(民法608条2項)、直ちに償還を請求できるとするのは誤り。イ:借地借家法の賃料減額請求権は強行規定であり、賃料自動増額特約があっても賃借人は減額請求権を行使することができるから(判例)、行使できないとするのは誤り。ウは債務不履行解除による転貸借の終了時期、エは賃貸人たる地位の移転の対抗要件としての所有権移転登記(民法605条の2)、オは借地上の建物を同居の子名義で登記した場合の借地権の対抗力で、いずれも正しい。

自作の解説(不動産賃貸借に関する規定と判例に基づく)

関連条文

出典 法務省 令和6年司法試験 短答式試験 問題集[民法]第27問/民法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00241.html