司法試験 短答式 2024 民法 第32問
婚姻及び離婚に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
- ア 父と母が、子に嫡出子の地位を得させるための便法としてすることを合意して婚姻の届出をしたものの、父母の双方に真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思がなかったときは、婚姻は、無効である。
- イ 夫婦としての実質的生活関係が存続している男女が婚姻意思に基づいて婚姻届を作成したものの、婚姻届の提出の時にその一方が昏睡状態に陥っていたときは、婚姻は、無効である。
- ウ 夫婦としての実質的生活関係が存在している男女の一方が他方の意思に基づかずに婚姻届を作成し、これを提出したものの、後に他方が当該届出の事実を知ってこれを追認したときは、婚姻は、その追認の時から有効となる。
- エ 夫婦が、法律上の婚姻関係を解消する意思の合致に基づいて離婚の届出をしたものの、その届出が生活保護費の受給を継続するための方便としてのものであり、その後も夫婦としての実質的生活関係を継続したときは、離婚は、無効である。
- オ 夫婦が、離婚意思に基づいて離婚届を作成し、夫婦の一方がいったん保管した後にこれを提出したものの、他方が届出時までに翻意していたことが明確であったときは、離婚は、無効である。
- 1 ア エ
- 2 ア オ
- 3 イ ウ
- 4 イ エ
- 5 ウ オ
正答 2(配点 2)
参考
正解は2(正しいものはア・オ)。ア:嫡出子の地位を得させる便法として届出をしたにすぎず、真に社会観念上の夫婦関係の設定を欲する効果意思がなかったときは婚姻は無効であるから(民法742条)正しい。オ:離婚届が作成・保管された後、届出の時までに一方が翻意していたことが明確であったときは離婚意思を欠き離婚は無効であるから正しい。イは届出時に一方が昏睡状態でも実質的生活関係と届出意思があれば婚姻は有効である点、ウは無断の婚姻届も追認により届出時にさかのぼって有効となる点、エは方便であっても届出意思があれば離婚は有効である点で、いずれも誤り。
自作の解説(民法の婚姻・離婚に関する規定と判例に基づく)
関連条文
出典 法務省 令和6年司法試験 短答式試験 問題集[民法]第32問/民法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00241.html