司法試験 短答式 2024 民法 第35問
遺産分割に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
- ア 相続開始時に金銭が相続財産として存するときは、相続人は、遺産分割までの間は、当該金銭を相続財産として保管している他の相続人に対し、自己の相続分に相当する金銭の支払を求めることができない。
- イ 共同相続された預貯金債権は、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割される。
- ウ 被相続人が、遺産に属する甲建物を共同相続人A及びBのうちAに承継させる旨の特定財産承継遺言をしたときであっても、Aは、遺産分割手続を経なければ、甲建物を取得することができない。
- エ 遺産に属する甲建物を共同相続人A及びBのうちAが遺産分割により単独で取得したときは、相続開始から遺産分割までの間に甲建物について生じた賃料債権は、Aがその全額を取得する。
- オ 遺産分割協議は、詐害行為取消権行使の対象とすることができる。
- 1 ア ウ
- 2 ア オ
- 3 イ エ
- 4 イ オ
- 5 ウ エ
正答 2(配点 2)
参考
正解は2(正しいものはア・オ)。ア:相続財産中の金銭は、遺産分割までの間、これを保管する相続人に対して各共同相続人が自己の相続分に相当する金銭の支払を求めることはできないから(判例)正しい。オ:遺産分割協議は詐害行為取消権行使の対象となり得るから(最判平成11年6月11日)正しい。イは共同相続された預貯金債権が当然に分割されず遺産分割の対象となる点(最大決平成28年12月19日)、ウは特定財産承継遺言により遺産分割を経ずに権利が承継される点、エは遺産から生じた賃料債権を各共同相続人が相続分に応じて取得する点(判例)で、いずれも誤り。
自作の解説(民法の遺産分割に関する規定と判例に基づく)
関連条文
関連判例
- 共同相続された預貯金債権(最大決平成28年12月19日)
- 遺産分割協議と詐害行為取消し(最判平成11年6月11日)
出典 法務省 令和6年司法試験 短答式試験 問題集[民法]第35問/民法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00241.html