司法試験 短答式 2024 民法 第8問
Aが所有する甲土地の上にAが植栽した乙立木がある。乙立木について立木ニ関スル法律による所有権保存登記がされていないときに関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
- ア AがBに乙立木のみを売却した場合において、AがAB間の売買契約を解除したときは、Aは、乙立木について明認方法を施すことにより、乙立木の所有権の復帰を公示することができる。
- イ AがCに乙立木のみを売却したときにCが乙立木について施すべき明認方法においては、前所有者がAであることを明らかにしなければならない。
- ウ AがDに乙立木のみを売却し、乙立木についてDが明認方法を施したときは、Dは、その明認方法が消失した後にAから乙立木を買い受けた第三者Eに対しても、乙立木の所有権の取得を対抗することができる。
- エ AがFに甲土地及び乙立木を売却し、甲土地についてFが所有権移転登記を備えた場合には、その後にAがGに乙立木のみを売却し、乙立木についてGが明認方法を施したときであっても、Fは、乙立木の所有権の取得を第三者Gに対抗することができる。
- オ AがHに乙立木の所有権を留保して甲土地を売却した後、HがIに甲土地及び乙立木を売却したときは、Aは、乙立木について明認方法を施さなければ、乙立木の所有権の留保を第三者Iに対抗することができない。
- 1 ア ウ
- 2 ア エ
- 3 イ ウ
- 4 イ オ
- 5 エ オ
正答 3(配点 2)
参考
正解は3(誤りはイ・ウ)。イ:立木について施す明認方法は現在の所有者を公示すれば足り、前所有者が誰であるかを明らかにする必要はないから誤り。ウ:明認方法は対抗要件であり、いったん施しても消失した後は第三者に対抗することができないから、消失後の第三者にも対抗できるとするのは誤り。アは解除による所有権の復帰を明認方法で公示できる点、エは土地の所有権移転登記を備えた者が立木の所有権も対抗できる点、オは立木の所有権を留保した者は明認方法を施さなければ留保を対抗できない点で、いずれも正しい。
自作の解説(明認方法に関する判例に基づく)
関連条文
出典 法務省 令和6年司法試験 短答式試験 問題集[民法]第8問/民法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00241.html