司法試験 短答式 2024 刑法 第14問

秘密を侵す罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合、正しいものはどれか。
  1. 1 信書開封罪は、信書に記載された人の秘密を保護法益とするため、正当な理由なく、封をしてある信書を開けたとしても、信書の内容を確認しなかった場合には成立しない。
  2. 2 秘密漏示罪は、医師や弁護士など人の秘密を知りやすい職にある者を主体とする犯罪であり、かつて同職にあったが、既に同職にない者については、同罪の主体とはならない。
  3. 3 秘密漏示罪の「人の秘密」には、精神科の医師が医学的判断を内容とする精神鑑定を行う過程で知った鑑定対象者本人の秘密は含まれるが、同過程で知った同人以外の者の秘密は含まれない。
  4. 4 弁護士が、正当な理由なく、業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときには秘密漏示罪が成立するが、弁護士が業務とは無関係に偶然知った人の秘密を漏らしたとしても、同罪は成立しない。
  5. 5 弁護士が、正当な理由なく、業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を特定かつ少数の人に漏らした場合、その者らを通じて不特定又は多数の人へと秘密が漏れなければ、秘密漏示罪は成立しない。

正答 4(配点 2)

参考

正解は4。1:信書開封罪は正当な理由なく封をした信書を開ければ成立し、内容を確認したことを要しないから誤り。2:秘密漏示罪の主体には現に医師・弁護士等の職にある者だけでなく、かつてその職にあった者も含まれるから誤り。3:秘密漏示罪の「人の秘密」は鑑定対象者本人の秘密に限られず、その過程で知った第三者の秘密も含み得るから、本人以外は含まれないとするのは誤り。4:秘密漏示罪の客体は業務上取り扱ったことについて知り得た秘密であり、業務と無関係に偶然知った秘密を漏らしても同罪は成立しないから正しい。5:秘密漏示罪は秘密を特定かつ少数の者に漏らせば成立し、不特定又は多数の者への伝播を要しないから誤り。

自作の解説(刑法の秘密を侵す罪の規定と判例に基づく)

関連条文

関連判例

出典 法務省 令和6年司法試験 短答式試験 問題集[刑法]第14問/刑法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00241.html