司法試験 短答式 2024 憲法 第3問

法の下の平等に関する次のアからウまでの各記述について、最高裁判所の判例の趣旨に照らして、それぞれ正しい場合には1を、誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は、アからウの順に[No.5]から[No.7])
  1. 憲法第25条の趣旨の具体化は立法府の広い裁量に委ねられており、障害福祉年金の受給資格についても立法府の裁量の範囲に属するというべきであるから、自国民を在留外国人に優先させ、在留外国人を支給対象者から除外する合理性は否定できず、憲法第14条第1項には違反しない。
  2. 国籍法の規定が、日本国民である父親から出生後に認知された子につき、父母の婚姻を日本国籍取得の要件としている点について、日本国籍は重要な法的地位であって、嫡出子たる身分の取得は子が自らの意思や努力によっては変えられない事柄であるから慎重に検討される必要があるところ、立法目的自体には合理的な根拠が認められるが、当該要件によって生ずる区別と立法目的との間に合理的関連性は認められず、憲法第14条第1項に違反する。
  3. 多数の者が多様な仕事をしている普通地方公共団体の管理職選考において、その職務の性質にかかわらず、日本国籍を有しないことを理由に受験を認めないとする措置は、その合理的根拠を見いだすことができないから、憲法第14条に由来し、国籍を理由として差別することを禁じた労働基準法第3条の規定に反する違法な措置というべきである。
  1. 1 正しい
  2. 2 誤っている

正答 1,1,2(配点 3)

参考

正解はア=1、イ=2(正しい)、ウ=2(誤り)。ア:塩見訴訟(最判平成元年3月2日)は、憲法25条の具体化は立法府の広い裁量に委ねられ、限られた財源下で在留外国人より自国民を優先させることも許されるとして、障害福祉年金の国籍要件を14条1項に違反しないとした。正しい。イ:国籍法違憲判決(最大判平成20年6月4日)は、認知された子の国籍取得に父母の婚姻を要する区別につき、立法目的自体には合理的根拠があるが、目的と区別との間に合理的関連性を欠くに至っているとして14条1項に違反するとした。正しい。ウ:東京都管理職選考事件(最大判平成17年1月26日)は、管理職には公権力の行使等に携わる職が含まれることなどから、日本国籍を要件とする措置を合理的理由に基づく区別として14条・労働基準法3条に違反しないとした。記述は「職務の性質にかかわらず違法」とする点が判旨と逆であり、誤り。

自作の解説(憲法および最高裁判例に基づく)

関連条文

関連判例

出典 法務省 令和6年司法試験 短答式試験 問題集[憲法]第3問/憲法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00241.html