司法試験 短答式 2024 憲法 第5問

憲法第21条に関する次のアからウまでの各記述について、最高裁判所の判例の趣旨に照らして、正しいものには○、誤っているものには×を付した場合の組合せを、後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は、[No.9])
  1. 営利的な広告であっても表現の自由の保障の対象となり、虚偽、誇大にわたる広告のみならず、あん摩、はり、きゅう等の施術の適応症に関する真実、正当な広告までをも禁止することは、憲法第21条に反し許されない。
  2. 電話傍受は、憲法第21条第2項後段の定める通信の秘密を侵害し、ひいては個人のプライバシーを侵害する強制処分であるが、一定の要件の下では、捜査の手段として憲法上全く許されないものではなく、法律の定める手続に従って電話傍受を行うことも、憲法上許される。
  3. 青少年保護育成条例による有害図書の自動販売機への収納の禁止は、青少年との関係では、その健全な育成を保護するための必要やむを得ない制約であり、憲法第21条第1項に反しないし、成人との関係でも、設置を禁止する場所を指定するなど、一定の限定が付加される限り、同項に反しない。
  1. 1 ア○ イ○ ウ○
  2. 2 ア○ イ○ ウ×
  3. 3 ア○ イ× ウ○
  4. 4 ア○ イ× ウ×
  5. 5 ア× イ○ ウ○
  6. 6 ア× イ○ ウ×
  7. 7 ア× イ× ウ○
  8. 8 ア× イ× ウ×

正答 6(配点 2)

参考

正解は6(ア×・イ○・ウ×)。ア:あん摩師等法違反事件(最大判昭和36年2月15日)は、適応症の広告を一律に禁止することも国民の保健衛生上の見地からやむを得ない制限として憲法21条に違反しないとした。記述は「真実・正当な広告まで禁止することは許されない」とする点が判旨と異なり、誤り。イ:電話傍受事件(最決平成11年12月16日)は、電話傍受が通信の秘密・プライバシーを侵害する強制処分であるが、一定の要件の下で法律の定める手続に従って行うことは憲法上許されるとした。正しい。ウ:岐阜県青少年保護育成条例事件(最判平成元年9月19日)は、有害図書の自動販売機収納規制を青少年保護のための必要やむを得ない制約として21条1項に違反しないとした。記述の「成人との関係でも設置禁止場所の指定など一定の限定が付加される限り反しない」という限定は判旨にはなく、誤り。

自作の解説(憲法および最高裁判例に基づく)

関連条文

関連判例

出典 法務省 令和6年司法試験 短答式試験 問題集[憲法]第5問/憲法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00241.html