司法試験 短答式 2025 民法 第17問

債務不履行に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.17])
  1. 特別の事情によって生じた損害については、債務者が債務不履行時にその事情を現に予見していたときに限り、債権者は、債務不履行による損害賠償を請求することができる。
  2. 契約に基づく債務の履行がその契約の成立の時に不能であったことは、その履行の不能によって生じた損害の賠償を請求することを妨げない。
  3. 債権者が債務の履行を受けることができない場合において、履行の提供があった時以後に当事者双方の責めに帰することができない事由によってその債務の履行が不能となったときは、その履行の不能は、債務者の責めに帰すべき事由によるものとみなされる。
  4. 債務不履行による損害賠償は、当事者間で別段の合意がされたときであっても、金銭をもってその額を定める。
  5. 金銭消費貸借契約において返還の時期を定めなかった場合において、貸主が相当の期間を定めずに返還の催告をしたときは、借主は、相当の期間を経過した時から履行遅滞の責任を負う。
  1. 1 ア イ
  2. 2 ア ウ
  3. 3 イ オ
  4. 4 ウ エ
  5. 5 エ オ

正答 3(配点 2)

参考

正解は3(正しいのはイ・オ)。イ:契約成立時に履行が不能であったこと(原始的不能)は、その不能による損害賠償請求を妨げない(民法412条の2第2項)。オ:返還時期の定めのない消費貸借では、貸主は相当の期間を定めて返還の催告をすべきところ、相当の期間を定めない催告であっても、催告から相当の期間を経過した時に借主は履行遅滞となる(民法591条1項、判例)。ア:特別損害は債務者がその事情を予見すべきであったときに賠償の範囲となる(民法416条2項)のであり、「不履行時に現に予見していたときに限り」とするのは誤り。ウ:受領遅滞後に当事者双方の責めに帰せない事由で履行不能となったときは、債権者の責めに帰すべき事由によるものとみなされる(民法413条の2第2項)から誤り。エ:損害賠償は原則金銭によるが、当事者が別段の意思表示をしたときはこの限りでない(民法417条)から誤り。

自作の解説(債務不履行に関する規定に基づく)

関連条文

出典 法務省 令和7年司法試験 短答式試験 問題集[民法]第17問/民法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00267.html