司法試験 短答式 2025 民法 第19問
AのBに対する債権を保全するための債権者代位権に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.19])
- ア BのCに対する債権がBからAへと売却されたときは、Aは、Bに代位して、債権譲渡の通知をすることができる。
- イ Bの権利が名誉侵害を理由とする慰謝料請求権である場合において、Bがその権利を行使する意思を表示した時以後は、Aは、その権利を代位行使することができる。
- ウ AのBに対する債権がBの権利の発生後の原因に基づいて生じたものであるときは、Aは、その権利を代位行使することができない。
- エ Bの権利がDに対し絵画甲の引渡しを請求するものであるときは、Aは、その権利を代位行使して、Dに対し、甲の引渡しを自己に対してすることを求めることができる。
- オ AがBの権利の代位行使に係る訴えを提起した後、Bがその事実を知ったときであっても、Bは、その権利について処分をすることを妨げられない。
- 1 ア ウ
- 2 ア エ
- 3 イ ウ
- 4 イ オ
- 5 エ オ
正答 5(配点 2)
参考
正解は5(正しいのはエ・オ)。エ:被代位権利が動産の引渡請求権であるときは、代位債権者は相手方に対し、その引渡しを自己に対してすることを求めることができる(民法423条の3)。オ:代位債権者が被代位権利の行使に係る訴えを提起した後であっても、債務者は被代位権利について自ら取立てその他の処分をすることを妨げられない(民法423条の5)。ア:債権の譲受人は譲渡人に代位して債権譲渡の通知をすることはできない(判例)から誤り。イ:名誉侵害による慰謝料請求権は、その具体的な金額が当事者間で確定する前は行使上の一身専属権であり、被害者が行使の意思を表示しただけでは代位行使できない(判例)から誤り。ウ:被保全債権は被代位権利より後の原因で生じたものでも代位行使できるから誤り。
自作の解説(債権者代位権に関する規定および参照判例に基づく)
関連条文
出典 法務省 令和7年司法試験 短答式試験 問題集[民法]第19問/民法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00267.html