司法試験 短答式 2025 民法 第35問
遺言に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.35])
- ア 遺言者が甲遺言を乙遺言により撤回し、乙遺言を更に丙遺言により撤回した場合には、丙遺言に係る遺言書の記載に照らし、遺言者の意思が甲遺言の復活を希望するものであることが明らかなときであっても、甲遺言は、その効力を回復しない。
- イ 自筆証書によって遺言をする場合において、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産の目録を添付するときは、その目録については、自書することを要しない。
- ウ 被相続人は、遺言で、遺産の分割の方法を定めることを第三者に委託することができる。
- エ 遺言に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は、遺言者の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。
- オ 遺産に属する特定の財産を共同相続人の一人に相続させる旨の遺言は、その趣旨が遺贈であることが明らかであるか、又は遺贈と解すべき特段の事情がない限り、特定財産承継遺言と解される。
- 1 ア ウ
- 2 ア エ
- 3 イ エ
- 4 イ オ
- 5 ウ オ
正答 2(配点 2)
参考
正解は2(誤りはア・エ)。ア:撤回行為が更に撤回された場合、原則として原遺言の効力は回復しないが、遺言者の意思が原遺言(甲遺言)の復活を希望するものであることが明らかなときは、甲遺言の効力が回復する(最判平成9年11月13日)から、「明らかなときであっても回復しない」とするのは誤り。エ:停止条件付きの遺言は、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、条件が成就した時からその効力を生ずる(民法985条2項)のであって、死亡の時にさかのぼるのではないから誤り。イ・ウ・オは正しい。
自作の解説(遺言に関する規定および参照判例に基づく)
関連条文
関連判例
- 遺言撤回行為の撤回と原遺言の復活(最判平成9年11月13日民集51巻10号4144頁)
出典 法務省 令和7年司法試験 短答式試験 問題集[民法]第35問/民法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00267.html