司法試験 短答式 2025 民法 第37問
地上権及び土地賃借権に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。(解答欄は、[No.37])
- ア 地上権者は、地上権に基づく地上権設定登記請求権を有し、土地賃借人は、賃貸借契約に基づく賃借権設定登記請求権を有する。
- イ 地上権者は、土地所有者に対して、地上権に基づき土地を使用に適した状態に置くよう請求する権利を有しないが、土地賃借人は、土地賃貸人に対して、賃貸借契約に基づき土地を使用に適した状態に置くよう請求する権利を有する。
- ウ 地上権は、時効によって取得することができるが、土地賃借権は、時効によって取得することができない。
- エ 建物所有を目的とする地上権も、建物所有を目的とする土地賃借権も、それぞれの権利者がそれぞれの権利の目的物である土地の上に登記されている建物を所有するときは、そのことをもって第三者に対抗することができる。
- オ 地上権者は、地上権の目的物である土地の所有者の承諾を得なければ、その土地を第三者に賃貸することができず、土地賃借人も、賃貸人の承諾を得なければ、賃借物である土地を転貸することができない。
- 1 ア イ
- 2 ア ウ
- 3 イ エ
- 4 ウ オ
- 5 エ オ
正答 3(配点 2)
参考
正解は3(正しいのはイ・エ)。イ:地上権は物権であり、土地所有者は地上権者に対して土地を使用に適した状態に置く積極的義務を負わないのに対し、土地賃借人は賃貸人に対し、使用収益させる義務・修繕義務(民法601条・606条)に基づき土地を使用に適した状態に置くよう請求できる。エ:建物所有を目的とする地上権も土地賃借権も、その土地上に登記された建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる(借地借家法10条1項)。ア:地上権者は物権として地上権設定登記請求権を有するが、土地賃借人は特約がない限り賃借権設定登記請求権を有しない(判例)から誤り。ウ:土地賃借権も継続的な用益等の要件を満たせば時効取得し得る(判例)から、取得できないとするのは誤り。オ:地上権は物権であり、地上権者は土地所有者の承諾を得ずにその土地を第三者に賃貸することができるから、前半が誤り。
自作の解説(地上権・土地賃借権に関する規定および参照判例に基づく)
関連条文
出典 法務省 令和7年司法試験 短答式試験 問題集[民法]第37問/民法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00267.html