司法試験 短答式 2025 憲法 第17問
違憲審査に関する次のアからウまでの各記述について、bの見解がaの見解の根拠となっている場合には1を、そうでない場合には2を選びなさい。(解答欄は、アからウの順に[No.33]から[No.35])
- ア
a 裁判所の違憲審査権は、具体的な争訟事件を前提としてその手続の中で行使されるべきである。
b 判例となり得るのは、結論に至る上で決定的な理由付け部分に限られる。
- イ
a 付随的違憲審査制の下では、違憲の争点が適法に提出されている場合でも、裁判所はその争点に触れないで事案の解決が可能ならば、あえて憲法判断をする必要がない。
b 議会制民主主義の下では、法律に問題がある場合には、まずは民主政の過程で法改正を求めることが原則である。
- ウ
a 複数の解釈が成り立ち得る法令の条項について、ある解釈をとれば合憲性について重大な疑いが生じる場合、裁判所は少なくともその解釈はとるべきでない。
b 国法秩序はできる限り統一的であるべきである。
- 1 bはaの根拠になっている
- 2 bはaの根拠になっていない
正答 2,1,1(配点 3)
参考
正解はア=2、イ=1、ウ=1。ア:aは付随的違憲審査制(具体的事件の手続の中で審査権を行使する)を述べる。bは判例として拘束力が及ぶ範囲(結論に至る決定的な理由付け=レイシオ・デシデンダイに限る)の問題で、aの根拠にはなっていない。イ:aは憲法判断回避の準則。b(問題があればまず民主政の過程で是正すべき)は、司法の謙抑と民主政の尊重という観点からaを基礎付けており、根拠になっている。ウ:aは合憲限定解釈の準則。b(国法秩序はできる限り統一的であるべき)は、法令をできる限り憲法に適合的に解釈すべきという発想からaを基礎付けており、根拠になっている。
自作の解説(違憲審査制に関する学説に基づく)
関連条文
出典 法務省 令和7年司法試験 短答式試験 問題集[憲法]第17問/憲法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00267.html