司法試験 短答式 2025 憲法 第19問

次の対話は、地方自治に関する教授と学生の対話である。教授の各質問に対する次のアからウまでの学生の各回答について、正しいものには○、誤っているものには×を付した場合の組合せを、後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は、[No.37]) 教授:憲法は、国会が国権の最高機関であることを定めるとともに、内閣総理大臣は国会議員の中から選出され、国務大臣の過半数は国会議員の中から選ばなければならないと定めていますが、地方公共団体における議会と首長の関係はどのようなものですか。(ア) 教授:同じく国会と内閣の関係に関し、憲法は、内閣が衆議院を解散できると定めていますが、この点につき、地方公共団体における議会と首長の関係ではどうですか。(イ) 教授:議員の地位に関し、国会議員には、憲法上、発言・表決に対する免責特権と会期中の不逮捕特権が保障されており、その地位が厚く保護されていますが、この点につき、地方公共団体の議会の議員はどうですか。(ウ)
  1. 地方公共団体においては、議会の議員だけでなく、首長も住民による直接選挙によって選出され、法律上、議会の議員と首長との兼職が禁止されています。また、国会が国権の最高機関であるのと異なり、地方公共団体においては、議会が自治権の最高機関たる地位にあるものではありません。
  2. 法律上、地方公共団体では、首長も住民による直接選挙によって選出され、議会と首長は独立対等の関係とされていますので、首長に議会の解散権は認められていません。
  3. 地方公共団体の議会の議員は、憲法上、免責特権も不逮捕特権も保障されておらず、法律上、住民による解職請求が認められています。
  1. 1 ア○ イ○ ウ○
  2. 2 ア○ イ○ ウ×
  3. 3 ア○ イ× ウ○
  4. 4 ア○ イ× ウ×
  5. 5 ア× イ○ ウ○
  6. 6 ア× イ○ ウ×
  7. 7 ア× イ× ウ○
  8. 8 ア× イ× ウ×

正答 3(配点 2)

参考

正解は3(ア○ イ× ウ○)。ア:正しい。地方公共団体では議員も首長も住民の直接選挙で選ばれ(憲法93条2項)、地方自治法上、議員と首長の兼職は禁止される。議会は自治権の最高機関ではない。イ:誤り。地方自治法は、長の不信任議決に対して首長に議会の解散権を認めている(地方自治法178条)から、「首長に議会の解散権は認められていない」は誤り。ウ:正しい。地方議会の議員には憲法上の免責特権・不逮捕特権はなく、地方自治法上、住民による解職請求(リコール)が認められている。

自作の解説(憲法第93条および地方自治法に基づく)

関連条文

出典 法務省 令和7年司法試験 短答式試験 問題集[憲法]第19問/憲法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00267.html