司法試験 短答式 2025 憲法 第2問

憲法第13条に関する次のアからウまでの各記述について、正しいものには○、誤っているものには×を付した場合の組合せを、後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は、[No.4])
  1. 最高裁判所は、人の氏名や肖像等は個人の人格の象徴であるから、その肖像等に顧客吸引力がある者には肖像等自体の商業的価値に基づいてその顧客吸引力を排他的に利用する権利が人格権に由来する権利として保障され、こうした者の肖像等を無断で使用することはその使用形態を問わず人格権の侵害に当たり許されないとした。
  2. 最高裁判所は、人が逮捕された事実は他人にみだりに知られたくないプライバシーに属するから法的保護の対象ではあるが、逮捕直後に逮捕事実を速報した報道を引用して誰もが閲覧・投稿できるソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下「SNS」という。)に投稿することは誰でも許され、その後、時が経過してもSNSの運営会社にその引用投稿を削除するよう請求することはできないとした。
  3. 最高裁判所は、婚姻前に築いた個人の信用、評価、名誉感情等を婚姻後も維持する利益等は、憲法上の権利として保障される人格権とまではいえないが、婚姻や家族に関する法制度を検討するに当たって考慮すべき人格的利益といえるとした。
  1. 1 ア○ イ○ ウ○
  2. 2 ア○ イ○ ウ×
  3. 3 ア○ イ× ウ○
  4. 4 ア○ イ× ウ×
  5. 5 ア× イ○ ウ○
  6. 6 ア× イ○ ウ×
  7. 7 ア× イ× ウ○
  8. 8 ア× イ× ウ×

正答 7(配点 2)

参考

正解は7(ア× イ× ウ○)。ア:誤り。ピンク・レディー事件(最判平成24年2月2日民集66巻2号89頁)は、肖像等を無断で使用する行為が不法行為となるのは専ら肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とする場合に限られるとし、「使用形態を問わず」侵害になるとはしていない。イ:誤り。逮捕歴に関するツイート削除請求事件(最判令和4年6月24日民集76巻5号1170頁)は、削除の可否を、投稿を存続させる理由と削除を求める法的利益との比較衡量で判断するとしており、一律に削除請求できないとはしていない。ウ:正しい。夫婦同氏制を合憲とした判決(最大判平成27年12月16日民集69巻8号2586頁)は、婚姻前の氏で築いた信用・評価・名誉感情等を婚姻後も維持する利益は憲法上の人格権とまではいえないが、制度設計上考慮すべき人格的利益にあたるとした。

自作の解説(憲法第13条および参照判例に基づく)

関連条文

関連判例

出典 法務省 令和7年司法試験 短答式試験 問題集[憲法]第2問/憲法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00267.html