司法試験 短答式 2025 憲法 第20問

条約に関する次のアからウまでの各記述について、それぞれ正しい場合には1を、誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は、アからウの順に[No.38]から[No.40])
  1. 条約の承認について国会の修正権を肯定する見解によれば、参議院で衆議院と異なった議決をした場合における両院協議会の開催は、国会が条約を修正して承認する場合を想定したものと理解することができる。
  2. 憲法第98条第2項にいう「条約」は、その名称を問わず、日本国と外国との間の文書による合意を広く含むところ、同項にいう「日本国が締結した条約」は、全て国会の承認を経て成立したものである。
  3. 国際法と国内法の関係について統一的な法秩序に属しているとみた上で、憲法の効力が条約の効力に優位するとの見解によれば、違憲と判断された条約は効力を有しないことになるから、当該条約は当然に国際法上の効力も否定されることとなる。
  1. 1 正しい
  2. 2 誤っている

正答 1,2,2(配点 3)

参考

正解はア=1、イ=2、ウ=2。ア:正しい。条約の国会修正権を肯定する見解からは、両院協議会の制度は、両院で異なる議決がされた場合に国会が条約を修正して承認する場面を想定したものと理解できる。イ:誤り。98条2項の「条約」は名称を問わず国家間の文書による合意を広く含むが、既存の条約の範囲内で締結される行政協定など、国会の承認を経ずに成立する条約もあるから、「全て国会の承認を経て成立した」とはいえない。ウ:誤り。憲法優位説に立ち違憲の条約が国内法的に効力を有しないとしても、条約の国際法上の効力は国内法上の効力とは別の問題であり、当然に国際法上の効力まで否定されることにはならない。

自作の解説(憲法第73条・第98条および学説に基づく)

関連条文

出典 法務省 令和7年司法試験 短答式試験 問題集[憲法]第20問/憲法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00267.html