司法試験 短答式 2025 刑法 第13問
学生A及びBは、【会話】のとおり議論している。【会話】中の①から⑧までの( )内に【語句群】から適切なものを入れた場合、正しいものの組合せは1から5までのうちどれか。なお、①から⑧までの( )内には、それぞれ異なるものが入る。(解答欄は、[No.23]) 【会話】学生A:未遂犯の刑について、刑法は、どのように定めていますか。/学生B:刑法第43条は「犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を(①)。ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は(②)。」と定めています。/学生A:未遂を罰する場合、明文で定める必要があるかについて、刑法は、どのように定めていますか。/学生B:刑法第44条は「未遂を罰する場合は、各本条で定める。」と定めています。例えば、背任罪の未遂は(③)が、横領罪の未遂は(④)。/学生A:侵入窃盗について、窃盗の実行の着手をどのように判断しますか。/学生B:(⑤)の場合、侵入しただけでは実行の着手は認められず、財物の物色行為に至れば実行の着手が認められると考えます。/学生A:(⑤)の場合、財物の物色のためにたんすに近寄ったとしても、物色行為に至らなければ実行の着手は認められないのですか。/学生B:判例によれば、財物の物色行為に至らなければ(⑥)。/学生A:(⑦)の場合、(⑧)に取り掛かった時点で、実行の着手が認められるとした裁判例がありますが、これについてはどう考えますか。/学生B:賛成です。通常、(⑦)の内部は財物を保管するためにだけ用いられており、(⑧)に取り掛かった時点で内部の財物が窃取される現実的危険性が生じていると考えます。 【語句群】a.減軽する b.減軽することができる c.免除する d.免除することができる e.処罰されます f.処罰されません g.通常の住居 h.土蔵 i.実行の着手が認められないということではありません j.実行の着手は認められません k.犯行計画の策定 l.侵入行為
- 1 ①a ③f ⑥j ⑧k
- 2 ①b ④e ⑤h ⑦g
- 3 ②c ⑤g ⑦h ⑧k
- 4 ②d ④f ⑥i ⑦h
- 5 ③e ⑤g ⑥i ⑧l
正答 5(配点 2)
参考
正解は5。未遂犯の刑(刑法43条本文=その刑を減軽することができる、ただし書の中止犯=減軽し又は免除する)、未遂処罰の明文(44条。背任罪には未遂処罰規定があるが横領罪にはなく処罰されない)、及び侵入窃盗の実行の着手時期を問う。判例上、通常の住居では財物の物色行為に至った時に着手が認められるが、物色に至らなくても着手が認められないとは限らず、土蔵のように内部が財物保管のためにだけ用いられる場所では侵入行為に取り掛かった時点で着手が認められるとした裁判例がある。
自作の解説(未遂犯・実行の着手に関する規定および裁判例に基づく)
関連条文
出典 法務省 令和7年司法試験 短答式試験 問題集[刑法]第13問/刑法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00267.html