司法試験 短答式 2025 刑法 第17問
アからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合、誤っているものの個数を1から5までの中から選びなさい。(解答欄は、[No.27])
- ア 甲と乙が窃盗を共謀したが、実行行為を分担した甲が同共謀に反して財物を強取した後、実行行為を分担しなかった乙に対し、同財物を強取した旨を伝えて同財物を譲り渡した。この場合、乙に強盗罪の共同正犯が成立することはない。
- イ 甲(22歳)と乙(12歳)が強盗を共謀し、同共謀に基づき乙が財物を強取した。この場合、甲に強盗罪の共同正犯が成立することはない。
- ウ 甲と乙が窃盗を共謀し、次に乙と丙が同窃盗を共謀して、同共謀に基づき丙が財物を窃取した。この場合、甲に窃盗罪の共同正犯が成立することはない。
- エ 甲と乙が強盗を共謀し、同共謀に基づき甲がAに包丁を突き付けて脅迫し、乙がAから金品を強取したが、その強盗の機会に、甲が過失によりAに傷害を負わせた。この場合、乙に強盗致傷罪の共同正犯が成立することはない。
- オ 甲と乙が窃盗を共謀し、同共謀に基づき甲が実行行為を行ったが、乙は同実行行為の日時・場所・方法を詳細に認識していなかった。この場合、乙に窃盗罪の共同正犯が成立することはない。
- 1 1個
- 2 2個
- 3 3個
- 4 4個
- 5 5個
正答 4(配点 2)
参考
正解は4(誤りは4個=イ・ウ・エ・オ)。正しいのはアのみ。ア:窃盗の共謀しかしていない乙は、甲が共謀に反して強取した後に事情を知って財物を譲り受けても強盗罪の共同正犯とはならないから正しい。イ:刑事未成年者(12歳)と共謀して実行させた甲には強盗罪の共同正犯(又は間接正犯)が成立し得るから、「成立することはない」とするのは誤り。ウ:順次共謀(甲乙間、乙丙間)でも甲に窃盗罪の共同正犯が成立するから誤り。エ:強盗の機会に共犯者が傷害を負わせれば結果的加重犯として共犯者全員に強盗致傷罪の共同正犯が成立するから誤り。オ:共謀の内容として実行行為の日時・場所・方法の詳細な認識は不要であり、乙に窃盗罪の共同正犯が成立するから誤り。
自作の解説(共同正犯に関する判例に基づく)
関連条文
出典 法務省 令和7年司法試験 短答式試験 問題集[刑法]第17問/刑法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00267.html