司法試験 短答式 2025 刑法 第2問

学生A及びBは、【事例】について、【会話】のとおり議論している。【会話】中の①から⑪までの( )内に【語句群】から適切なものを入れた場合、正しいものの組合せは1から5までのうちどれか。なお、①から⑪までの( )内には、それぞれ異なるものが入る。(解答欄は、[No.2]) 【事例】甲は、乙所有の飼い犬(以下「乙犬」という。)が甲所有の飼い犬(以下「甲犬」という。)に突然襲い掛かったため、甲犬を守る目的で、持っていた甲所有の傘で乙犬を殴り、乙犬に怪我を負わせた。 【会話】学生A:乙犬が甲犬に襲い掛かったことについて、乙に故意・過失が(①)場合、甲が乙犬に怪我を負わせた行為に(②)の成立を認めるかが問題になりますね。/学生B:私は、「(③)」は人間の行為に(④)と考えるので、(②)の成立を(⑤)。そのため、(⑥)の成否が問題になります。/学生A:(⑦)と(⑧)を必要とする(⑥)の限度でしか対抗できないというのでは、(⑨)の保護が不十分ではないですか。/学生B:乙に故意・過失が(⑩)場合、(②)が成立し得るので、不都合はありません。/学生A:(⑥)の法的性格について、どう考えますか。/学生B:(⑥)は、(⑦)を要件としているので、違法性阻却事由であると考えます。/学生A:そうすると、(⑥)に当たる行為に対して(②)は(⑪)ことになりますね。 【語句群】a.ある b.ない c.正当防衛 d.緊急避難 e.不正の侵害 f.現在の危難 g.限られる h.限られない i.認めます j.認めません k.補充性 l.法益均衡 m.甲 n.乙 o.成立し得る p.成立し得ない
  1. 1 ①a ③f ⑤i ⑨n ⑩b
  2. 2 ①b ④g ⑦k ⑧l ⑩a
  3. 3 ②c ⑤j ⑦l ⑨m ⑪o
  4. 4 ②d ④h ⑥c ⑩b ⑪o
  5. 5 ③e ⑥d ⑧k ⑩a ⑪p

正答 5(配点 2)

参考

正解は5。動物(乙犬)による侵害に対する反撃の法的処理を問う問題。正当防衛は「不正の侵害」(=人の違法な行為)を要件とするところ、動物の動作はそれ自体「不正の侵害」とはいえない(飼主の故意・過失がある場合は飼主の侵害と評価し得る)。そのため、補充性・法益均衡を要件とする緊急避難の成否が問題となり、緊急避難に当たる行為は適法(違法性阻却)であるから、これに対して正当防衛は成立し得ない。

自作の解説(正当防衛・緊急避難に関する規定に基づく)

関連条文

出典 法務省 令和7年司法試験 短答式試験 問題集[刑法]第2問/刑法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00267.html