司法試験 短答式 2025 刑法 第4問
学生A及びBは、【会話】のとおり議論している。【会話】中の①から⑧までの( )内に【語句群】から適切なものを入れた場合、正しいものの組合せは1から5までのうちどれか。なお、①から⑧までの( )内には、それぞれ異なるものが入る。(解答欄は、[No.4]) 【会話】学生A:支払意思・能力がないことを秘して飲食店で注文し、飲食物の提供を受けた無銭飲食の事案について、詐欺罪は成立しますか。/学生B:私は、判例と同様に、(①)といえ、(②)に当たるので、詐欺罪が成立すると考えます。/学生A:約款により暴力団関係者の施設利用を拒絶しているゴルフ場において、暴力団関係者がその旨を申告することなく施設利用をした場合はどう考えますか。/学生B:私は、判例と同様に、事案によっては詐欺罪が成立しない場合もあると考えます。詐欺罪が成立するとした判例では、(②)を認定できる事情がありました。一方、詐欺罪が成立しないとした判例では、ゴルフ場側が(③)するなどして、暴力団関係者による施設利用を(④)する意向を示していたものの、それ以上に(⑤)する措置は講じていなかったという事情がありました。また、(③)している周辺のゴルフ場において、暴力団関係者の施設利用を(⑥)する例が多数あったことなど、(②)を認定することが困難な事情がありました。そのため、暴力団関係者であることを申告せずに施設利用を申し込んだとしても、(⑦)ので、(⑧)としました。 【語句群】a.飲食後、直ちに代金を支払う意思・能力がないことを告知する義務があるのに、その義務に違反して真実を告げていない b.飲食店における注文は、暗黙の前提として、飲食後、直ちに代金を支払う意思・能力があるとの意思表示を内包している c.挙動による欺罔行為 d.不作為による欺罔行為 e.利用客に対して暴力団関係者でないことを確認 f.暴力団関係者の施設利用を拒絶する旨の立看板を設置 g.許可・黙認 h.拒絶 i.利用客は正規の利用料金を支払っており、ゴルフ場に経済的な不利益はない j.申込者が当然に暴力団関係者でないことまで表しているとは認められない k.財産的損害が発生していない l.欺罔行為に当たらない
- 1 ①a ③e ⑤f ⑦i
- 2 ①b ④g ⑥h ⑦j
- 3 ②c ④h ⑥g ⑧l
- 4 ②d ⑤f ⑥h ⑧k
- 5 ③f ⑤e ⑦i ⑧k
正答 3(配点 2)
参考
正解は3。詐欺罪における欺罔行為(挙動による欺罔・不作為による欺罔)と、暴力団関係者によるゴルフ場利用に関する各判例の理解を問う。無銭飲食では、注文行為自体が支払意思・能力を示す挙動による欺罔に当たり詐欺罪が成立する。ゴルフ場利用について詐欺罪を否定した判例(最判平成26年3月28日)は、暴力団関係者でないことの確認等の措置が講じられておらず、挙動による欺罔(②)を認定し難い事情があったため、欺罔行為に当たらない(⑧l)としたものである。
自作の解説(詐欺罪に関する判例に基づく)
関連条文
関連判例
- 暴力団関係者によるゴルフ場利用と詐欺罪(最判平成26年3月28日)
出典 法務省 令和7年司法試験 短答式試験 問題集[刑法]第4問/刑法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00267.html