司法試験 短答式 2025 刑法 第6問
正当防衛に関する1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合、誤っているものを2個選びなさい。(解答欄は、[No.6]、[No.7]順不同)
- 1 正当防衛は、不正の侵害に対して成立するから、正当防衛が成立する行為に対して反撃した場合、正当防衛が成立することはない。
- 2 不正の行為により自ら侵害を招き、これに対して反撃した場合、正当防衛が成立することはない。
- 3 急迫不正の侵害がないのにあると誤信し、自己の権利を防衛するため、加害行為をした場合、正当防衛が成立することはない。
- 4 相手方による侵害を予期している者が、自己の権利を防衛するため、同侵害が間近に押し迫っていないのに相手方に加害行為をした場合、正当防衛が成立することはない。
- 5 相手方による侵害に対して反撃した者が、その侵害から予想された被害よりも大きい被害を相手方に与えた場合、正当防衛が成立することはない。
正答 2,5(配点 3)
参考
正解は2・5(誤り)。2:自ら不正の行為で侵害を招いた場合(自招侵害)でも、一律に正当防衛が否定されるわけではなく、反撃行為に出ることが正当とされない場合があるにとどまる(最決平成20年5月20日)から、「成立することはない」とするのは誤り。5:反撃により予想された被害より大きい被害を与えても直ちに正当防衛が否定されるわけではなく、防衛行為が相当性の範囲を超えれば過剰防衛となるにとどまるから、「成立することはない」とするのは誤り。1・3・4は正しい。
自作の解説(正当防衛に関する規定および参照判例に基づく)
関連条文
関連判例
- 自招侵害(最決平成20年5月20日刑集62巻6号1786頁)
出典 法務省 令和7年司法試験 短答式試験 問題集[刑法]第6問/刑法の正解及び配点 https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00267.html