弦と矢から円の半径を求める方法

円弧の両端を結んだ長さ(弦)と、その真ん中から弧までの高さ(矢)から、もとの円の半径を求めます。円の中心が手元になくても、弧の一部を測るだけで半径が分かります。中心角と弧の長さもあわせて出します。

曲がった板やレールの半径を知りたいとき、円の中心は手元にありません。中心がどこにあるか分からなくても、弧の一部を測るだけで半径は求まります。

測るのは 2 つです。弧の両端をまっすぐ結んだ長さ(弦)と、その線分の真ん中から弧までの高さ(矢)です。

r=c24+h22hr = \dfrac{\dfrac{c^2}{4} + h^2}{2h}

導き方は三平方の定理だけです。円の中心から弦までの距離は rhr - h になります。中心・弦の中点・弦の端を結ぶと直角三角形ができ、(c2)2+(rh)2=r2\left(\dfrac{c}{2}\right)^2 + (r - h)^2 = r^2 が成り立ちます。左辺を展開すると r2r^2 が両辺で消え、rr について解けます。

既定の入力で見てみます。弦の長さが 8、矢の高さが 2 です。

824\dfrac{8^2}{4} は 16、222^2 は 4 ですから、分子は 20 です。分母は 2×22 \times 2 で 4 になります。半径はちょうど 5 です。

中心角は 2arccosrhr2\arccos\dfrac{r - h}{r} で求まります。arccos(3÷5)\arccos(3 \div 5) がおよそ 53.13 度なので、中心角はおよそ 106.26 度です。弧の長さはおよそ 9.2730、弓形の面積はおよそ 11.1824 になります。

矢が半径を超える場合もあります。弦 8、矢 6 で測ると半径はおよそ 4.3333 になり、rhr - h が負になります。式はそのまま使えて、中心角はおよそ 225.24 度、つまり半円より大きい弧だったと分かります。場合分けは要りません。

使いどころ

木工でアーチの型を取るとき、道路や線路のカーブの半径を測るとき、レンズやミラーの曲率を調べるときに使います。どれも中心まで届かない場面です。

弦を長く取るほど、矢も大きくなって測りやすくなります。逆に短い区間で測ると矢が小さくなり、少しの測り間違いが半径を大きく狂わせます。hh が分母にあるためで、hh が半分になれば半径はおよそ 2 倍に振れます。ゆるいカーブほど長い区間で測ってください。

注意

矢の高さは 0 より大きくしてください。0 なら弧ではなく直線で、半径は無限に大きくなります。

測るのは弦の真ん中から弧までの高さです。端に寄ったところで測ると別の値になります。

逆に、半径が分かっていて弧を描きたいときは、h=rr2c24h = r - \sqrt{r^2 - \dfrac{c^2}{4}} で矢の高さが出ます。半径 5 で弦を 8 取るなら 525165 - \sqrt{25 - 16} で 2 です。型板に印をつけるときはこちらを使います。